虎の龍馬になる!

 阪神ドラフト1位の二神一人投手(22=法大)が3日、高知市営球場で自主トレを公開した。この日は30回目を迎えた母校高知高、高知商高、土佐高の3校OB対抗野球大会にも顔を出し、あらためて熱い故郷愛を実感。土佐の英雄で明治維新の原動力となった坂本龍馬を見習い、地元高知を盛り上げることを誓った。真弓阪神の即戦力右腕が、1年目から突っ走る。

 自主トレで汗を流した二神は、大盛況だったサイン会も終えると、ある場所に向かった。「ここは高3の時以来、3、4回目。水族館も行ったことがある。高校の時は走ったこともあります」。正月休みの観光客でにぎわう高知屈指の観光スポット、桂浜公園。澄み切った青空の下、龍頭岬を目指して階段を上る。その先には、太平洋を眺めるように坂本龍馬像が建っていた。

 幕末の志士、坂本龍馬は地元高知の英雄。二神にとってもなじみの深い人物だ。小学生のころから伝記を読みあさり、漫画「お~い!竜馬」のアニメ作品も見た。薩長同盟を実現させ、大政奉還の成立にも尽力。そんな偉人の像を見上げれば、あらためて故郷への思いがこみ上げた。「(高知は)四国という島国にあって地方なんで、そういった意味でも(高知に)スポットライトを浴びせられたら」。地元から全国に土佐の名をとどろかせた“大先輩”に習い、自身もマウンドで勇姿を見せる意気込みだ。

 龍馬は30代の若さで暗殺される悲運をたどった。そのぶんまでと思ったわけではないが、二神は「プロの世界で長く活躍されている人は、体を資本として(現役を)20年続けておられる。下柳さんとか金本さんとか、第一線でユニホームを着続ける人たちは、ただただすごい」。今は“長く太く”という目標に向け、着々と準備を進めている。

 年末に帰省後も、地元の幡多郡大月町で自主トレを継続。暴飲暴食は控え、昼はキャッチボール、夜は7キロ前後の走り込みで汗を流す。「沖縄に行ってから高知に帰ってこられるように」。この日は高知市営球場でランニング、キャッチボールを90球。当面の目標である「開幕1軍」を目指し、まずは1軍沖縄キャンプ参加後、1、2軍合同の高知安芸キャンプで凱旋(がいせん)する青写真を描く。

 この日は、NHK大河ドラマ『龍馬伝』の放送がスタートした。練習後は「急いで家に帰って見ないと」と実家を目指した。ドラマ内の龍馬役は人気俳優、福山雅治が務めるが、二神も負けじと高知を盛り上げる決意だ。「高知は温かい。周りのおじいちゃんやおばあちゃんは家族みたいだし、故郷に思い入れがある。一生懸命頑張って故郷の人たちの期待に応えたい」。

 地元で放送される地上波の野球中継は巨人戦ぐらい。「田舎なもので(地元の人々が)球場に足を運ぶのは難しい。テレビを通して(プレーを)見せられるように頑張ります」。高知思いの22歳が、思いきり目を輝かせた。

 [2010年1月4日11時8分

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