年明けに組織改編を発表したソフトバンクが“王プロジェクト”を2月に本格始動させることが14日、分かった。王貞治球団会長(69)が2月春季キャンプで10日間ほどの現場視察を予定。王会長は新設された編成委員会の副委員長に就任したばかりだが、海外担当者の2月メジャーキャンプ調査も検討されており、新外国人選手獲得などへ本格的に動き始めることになった。

 いよいよ王会長が、常勝球団再建へと動き始める。関係者の話を総合すると、今月19日に本拠地・福岡ヤフードーム内で開催される監督・コーチ会議への出席が、新体制で手がける大仕事の第1弾となりそうだ。監督勇退直後の昨年は、自らに注目が集まることを避ける意味合いや、「WBC日本代表監督相談役」に就任したことで、その日程が組み込まれたために不参加となっていた。今回は秋山監督との「OAタッグ」でチーム育成へ、積極的に意見を交わすことになるという。

 監督・コーチ会議に出席することで、今シーズンの新助っ人補強も再び動き始める。秋山監督は先発投手補強を切望している。現場サイドの要望を直接耳にすることで、調査対象となる新外国人選手のイメージ像も絞り込まれるはずだ。

 球団では調査担当者を2月に米国派遣してのメジャーキャンプ視察が検討されている。米メジャー30球団は同18日以降に随時、アリゾナ州とフロリダ州でキャンプをスタートさせる。組織変更したソフトバンクにとっては、助っ人獲得ルートのパイプ強化に向けても貴重な機会に違いない。

 2月宮崎春季キャンプでの視察&指導にも熱が入りそうだ。王会長は昨秋は3日間の視察を行ったのみ。今回はチームのキャンプインに合わせ、10日間ほどの宮崎滞在を現在検討している。ただ、年明けには「育成にも力を入れていきたい」と話していただけに、多忙な日程の合間をぬって、その後も再度、宮崎入り可能性もありそうだ。

 今季は孫オーナーが起業して30周年にあたる節目のイヤー。王会長がホークス監督時代に3度リーグ優勝を飾った常勝球団の再建へ、力が入るのも無理はない。選手育成についての電子カルテ制作も2月春季キャンプから本格稼働する。球春の訪れとともに、“王プロジェクト”が、一気に進み始めることになる。

 [2010年1月15日11時35分

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