日本ハム中田翔内野手(20)が外野で初めて捕った。9日、沖縄・名護キャンプの紅白戦に3番左翼で出場。守備機会のなかった8日から一転、この日は5度の守備機会があり、戸惑う場面もあったものの、無難に処理した。

 高校通算87本塁打を放った中田は、すっかり「守備の人」になっていた。6回には右中間へ「今季初安打」となる適時二塁打も放ったが、笑顔はなかった。「全然うれしくない。今は守備を考えてやっていますし。自分のスイングはできたけど、守備に集中しています」。脳裏にこびりついていた5回の守備のことで、頭がいっぱいだった。

 左打者糸井のラインドライブがかかった左翼線へと切れていく打球。1度左中間方向へスタートを切り、その後体を反転させてボールを追ったが、間に合わなかった。強風が吹いていたこともあり、まっすぐ落下点へ走っていても、捕れたかどうかはギリギリ。清水外野守備走塁コーチも「追い方は悪くないし、切り返しもうまかった。あとは経験」と責めることはなかった。それでも中田は「風の確認とか、基本的なことができていなかった」と反省が口を突いた。

 同じ左打者の紺田のライナー性の打球を好捕するなど、その他の4度の守備機会は無難にこなした。梨田監督も「判断を誤った当たりはあったけど、風が強かったし、難しい。今日は70点くらい」と評価が落ちることはなかった。

 外野手としての実戦2戦目としては悪くない出来といえる。それでも中田は「すべての選手の中でレベルは下なので、上を目指してやっていきたい。打撃も守備も、他の選手の倍以上、練習が足りない」。定位置を取るまで、浮かれることはない。【本間翼】

 [2010年2月10日9時2分

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