西武のドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)が、宮崎・南郷キャンプでは実戦に登板しない可能性が高くなった。第3クール最終日の14日、渡辺監督は雄星の実戦調整について、「実戦?

 まったく白紙だよ」とあらためて強調した。調整が遅れている影響で、今後の見通しが立てられない状況。ブルペンで力強い投球ができるまでは、焦らず、無理をさせない方針を固めた。

 調整が順調なら、キャンプ前の段階では13日の紅白戦が実戦デビューという青写真もあった。だが連日のブルペン投球も、気合が空回り。思うような投球ができず、実戦予定が先送りになっていた。雄星は「最初はゆっくりやろうと思っていたのに、徐々に焦って投げ込みが多くなってしまった。実戦が入ってきてますが、今は焦らないようにしてます」と、状態アップに専念する。

 12日まで8度ブルペン入りしたが、この日は2日連続ノースロー。次のクールで打撃投手登板の打診を受けたが「今の状態で無理して入ると、抑えたい抑えたいと思ってしまう。投げなければ、こんなに疲れがとれることが分かりました」とあえてペースを落とした。15日のオフから2日間、投球しない意向。肩を“4連休”させて、復調のきっかけにするつもりだ。

 第4クール初日の16日には、シート打撃にドラフト3位ルーキー岩尾利弘(22=別府大)同6位岡本洋介(24=ヤマハ)が登板する。キャンプ打ち上げの26日までに紅白戦、練習試合が5試合組まれている。渡辺監督は新人にもチャンスを与えるが、雄星については「こっちにいるうちに、打撃投手に入れればいい」と目標を軌道修正した。フォームが固まらずに悩んだ状態で無理をすれば、故障にもつながりかねない。最速155キロ左腕への期待は大きいが、今は足元を見つめてじっくりと育てる。

 [2010年2月15日8時34分

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