静岡県内を沸かした高校生ヒーローたちが3月1日、卒業式を迎えた。常葉学園橘エースとして夏の甲子園初出場に貢献し、広島に入団した庄司隼人内野手(18)は、プロ野球選手の自覚を語った。

 門出の日に庄司の胸を去来したのは「甲子園」だった。3年の夏に、学校初の甲子園出場を成し遂げた。式の間、当時のことを思い出していた。「甲子園で戦ったなぁって。最後の最後の夏に甲子園に行けた。期待される重圧の中で戦えたのは、客観的に見てもすごいと思いました。仲間たちともよく戦えました」。気の置けない仲間と記念写真を撮り、卒業アルバムへサインしながら、高校生活最後の日を終えた。

 宮崎・日南キャンプから25日に帰静した。2日は都内で新人研修、3日には広島に戻り、2軍から1軍を目指す。プロの練習は当然、高校時代よりも厳しいことはキャンプで実感した。だが「練習が終われば『きつかった』と思うけど、練習をやめたいとか、もういいとは思わない。これで飯を食っていくという仕事の感覚。きつさより(プロとしての)自覚や責任感の方があります」。

 内野手に転向した。1軍練習に計4日間参加し、主砲栗原健太内野手(28)の打球を受けた。「打球の速度が違った」と驚いたが、同時にトップレベルを体に染み込ませた。「これから先、練習していけば必ずできるという感覚があった。少しでもチャンスをもらえたら結果を出したい。いつでも行けるという毎日を過ごしたい」。静岡から旅立ち、好打の内野手として広島の顔を目指す。【今村健人】

 [2010年3月2日9時37分

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