<巨人7-0ロッテ>◇5日◇山口
ド派手な第1号だ。巨人のドラフト1位ルーキー長野久義外野手(25=ホンダ)が、チームのオープン戦第1号となる満塁本塁打を放った。新人がオープン戦初本塁打で満塁弾を放つのは、00年の近鉄山下以来10年ぶり。強打者が並ぶ巨人打線で誰よりも鮮烈なインパクトを残し、松本との開幕スタメン争いもますます激化してきた。
試合後、長野はきょとんとした顔で、報道陣に逆取材した。「え?
グータッチしましたっけ?
全然、分かんないです。その辺の記憶がないです」。2点リードの3回、2死満塁でロッテ唐川から左翼越えの1発。自軍ベンチ前で原監督に、おなじみのグータッチで迎えられたが、満塁アーチの衝撃に初体験の儀式も記憶から飛んだ。
外寄りのスライダーだった。3回の第2打席。カウント1-2で打った瞬間、本塁打と分かる当たり。「一番、手の伸びるところに当たりました。次につなごうという気持ち。先っぽだったけど、行ったと思いました」と、パワーを見せつけた。試合前、球場に続く国道9号線は大渋滞。今年1度きりの日本一チームの試合を見ようと、地元ファンが押しかけた。ようやく球場にたどり着いた人々のうっぷんを、わずか一撃で見事に振り払った。
もっとも、パワー以上に高い修正能力が光った。2回の第1打席は、本塁打を打ったのと同じ球にやられた。1死一、二塁の先制機で、カウント2-1から外のスライダーに空振り三振。直後、篠塚打撃コーチのひと言に気付かされた。「しっかり軸足に(体重を)残して打ちなさい、と。最初の打席は軸足に乗ってなくて、前に体が行ってました。本当、言われた通りだった。試合中だけど、やりながらできています」と冷静に自己分析した。2月のキャンプ初日から言われてきた課題。この日は途中交代のため2打席しかなかったが、少ない機会の中でも、しっかり糧を得た。
原監督は「勝負強さというか、いい打撃ですね」と目を細めたが、「今日の1本が出たから、どうこうなるというのはない」と続けた。定位置争いのライバル松本も、2安打に好走塁と活躍した。オープン戦は序盤。激しいチーム内競争は、まだ続く。長野は「(満塁弾は)たまたまなんで。チーム第1号の感慨?
特にないです。走者がいればつなぐ。いないときは出塁する。気持ちは変わりません」と静かに答えた。過熱気味なのは、周囲の目だけ。6日も、高校時代を過ごした福岡の地でベストのプレーを目指す。【古川真弥】
[2010年3月6日9時29分
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