楽天の新外国人フアン・モリーヨ投手(26=ツインズ)が、今季Kスタ宮城での自身登場曲に歌謡界の大御所・北島三郎(73)の「まつり」を採用することが8日、分かった。楽天選手がテーマ曲に演歌を採用するのは球団創設6年目で初めて。守護神候補の陽気なドミニカンがサブちゃんのこぶしに乗って、9回のマウンドに君臨する。

 モリーヨは日本人の機微を理解する剛腕だった。普段はヒップホップ中心に洋楽オンリーの音楽ライフを送る。だが自身の登場曲を決めるに当たって「日本の歌がいいと思う」と自ら申し出た。相談に乗ったチームメートの渡辺恒が日本を代表し、かつモリーヨに似合いそうな数曲をピックアップ。最終的に「まつり」と広末涼子のデビュー曲「MajiでKoiする5秒前」との一騎打ちとなった。

 両曲を慎重に聞き比べ、「まつり」採用の決断を下した。モリーヨは「メロディーがいい。そして曲名もいい。試合に勝って、球場をフェスティバルにできたら最高だね」とぞっこんだった。関係者によると、パンチパーマ状に巻き上がった短髪、大きめの鼻の穴と北島三郎との共通項もあり、親近感を一層強くしたという。

 「色物」で終わる心配はない。最速167キロの触れ込みで入団したが、2月のキャンプ冒頭から150キロ超えを連発。現状「90%の力」で155キロまで球速がアップしている。クイック、けん制など日本野球への適応もスムーズで、クローザーを務める資質は十分にある。性格は温厚、謙虚でチームへの溶け込みも早く、サブちゃんの代表曲に乗ってブレークする可能性は十分にある。

 曲中のどの部分で登場するかなどこれから詳細を詰めていくが、投手は野手と違い、時間は十分にある。冒頭部分の勇壮な和太鼓の音色でもよし、こぶしを利かせたサビ「♪ま~つりだ、ま、つ、り、だ」の部分でもよし。「男・モリーヨ」が「♪白い褌(ふんどし)ひきしめ」て、杜(もり)の都の最終回を締めくくる。【宮下敬至】

 [2010年3月9日9時1分

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