東北球児たちの球春到来だ!

 センバツ(21日開幕=甲子園)出場3校の先陣を切って秋田商が12日、兵庫県西宮市内で練習開始。同校OBのヤクルト石川雅規投手(30)から贈られたジャージーとトレーニングシューズを身に付け「戦闘モード」に突入した。21世紀枠で出場する山形中央も、この日午後に大阪入り。盛岡大付ナインは、13日の抽選会に合わせて関西入りする。

 決戦の地、兵庫の空気を秋田商ナインは敏感に感じ取った。エース片岡元気は「こっちに来て一気にテンションが上がった」と話せば、左腕の須田貴司(ともに2年)は「秋田では『ワクワク』だったけど『勝負に向かう気持ち』に切り替わった」と引き締めた。

 前日の大阪入りから「センバツモード」に、どっぷり漬かった。宿舎に到着するなり「お宝もの」が目に飛び込んできた。OBのヤクルト石川から贈られたジャージーと、トレーニングシューズだ。それを全部員が身に着け、午後10時から1時間、淀川河川敷で練習した。

 「AKISHO」のロゴや個人名が刺しゅうされたジャージーは学校関係者だけでなく、外部トレーナーにまで用意された。石川と同じ小中学校卒業の須田は「汚れるからシューズはホテルに置いてきました」と宝物扱いするほど。石川の強い母校愛に、一致団結ムードは一気に上がった。

 精神面だけでなく体力面も上向きだ。前日まで3日間、定期試験だったため、この日は午前10時から午後4時まで練習し、体を戻した。太田直監督(30)は「もう『がむしゃら』ではなく『何がベストか』を考えてやるだけ」と、指揮官も戦闘モードだった。【三須一紀】

 [2010年3月13日11時22分

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