<オリックス1-11日本ハム>◇22日◇京セラドーム大阪

 今季初の2本塁打で日本ハムがオリックスに快勝、連敗を3で止めた。2回に小谷野栄一内野手(29)が今季1号となる2ランを放ち先制。5回には稲葉篤紀外野手(37)の2ランで5-1とリードを広げ、試合を決めた。この試合まで25試合なかった複数アーチなどで計11得点を挙げ、投げては先発のボビー・ケッペル投手(27)が8回1失点の好投で2勝目。投打がかみ合い、オリックス戦5試合目で初勝利を挙げた。

 引き揚げてくる選手たちが、口々に言った。「ナイスゲーム!」。ベンチ裏を包み込む、すがすがしい空気。勝利の味は、やはり格別だった。日本ハムが連敗を3で止め、オリックス戦今季初勝利。梨田監督は「勝ったね。よう分からんけど。どんな勝ち方でも、勝てばすべてが許せるから。これで少しずつ、みんな気分よくやってくれれば。責任を感じすぎると息苦しくなるから」。そう言って、ホッと息をついた。

 チームを支配した暗雲が晴れ、爽快(そうかい)な2本の虹が架かった。2回1死二塁。不調に苦しんでいた小谷野が、左翼スタンドへ今季初本塁打を放った。21日に高橋が今季1号を放ったばかり。「1発にこだわりはないけど、うらやましい気持ちはありました。打席で受け身になっていたので、積極的にいこうと思いました」。連敗ムードを振り払う、4試合ぶの先制点だった。

 5回には稲葉。近藤のチェンジアップをバックスクリーン右へたたき込んだ。今季26試合目で初めてとなる“マルチ本塁打”。打線は13安打11得点と打ちまくった。稲葉は「みんな自信をなくしていたところがあったけど、今日でいい形になったと思う」と手応えを口にした。

 実は2本目の虹を生んだのは、中嶋兼任コーチのバットだった。稲葉は「もう1つ(波に)乗れていないところがあったので、何かを変えなくてはと思ったから」。自分のものより30グラム重い930グラムのバットを、力の限りで振り切った。元をたどれば、小谷野が使っているバットも、稲葉のバットを試し打ちして気に入り、同じ形で特注した稲葉モデル。小谷野が稲葉で、稲葉が中嶋で…じゃあ中嶋は?

 頭がこんがらがりそうな“パズル”が好結果につながり、「チーム一丸」の象徴ともなった。

 小谷野と稲葉は、本拠地試合では早出特打の“常連”となっている2人。スランプを脱するため、人一倍グラウンドに汗を流してきた。口内の乾きを潤すため、試合中はあめをなめている小谷野だが、凡退が続くとボリボリかむ回数も増える。この日は3安打を放ち、自身初の6打点。一般では市販されていない「虫歯にならないあめ」ではあるが、勝利を呼び込むヒットは、これ以上ない虫歯予防になった。

 ヒットエンドランあり、盗塁あり、単打もあれば、本塁打もあった。ケッペルも8回1失点の好投。稲葉は「チームはいい方向にきている。これからだと思う」と言った。借金はまだ「11」。だが、視界の先には明るい日差しが降り注いでいる。【本間翼】

 [2010年4月23日11時45分

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