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 阪神金本知憲外野手(42)がユニホーム、スパイク、帽子をアメリカ野球殿堂博物館(ニューヨーク州クーパーズタウン)に寄贈することを26日、発表した。17日に樹立した連続フルイニング試合出場の世界記録「1492試合」の当日に着用していた記念品で、博物館側の要請に応じた。不滅の記録が野球の祖国でも高く評価された証しとも言える。世界の鉄人が本場米国の“野球殿堂入り”を果たした。

 日本中に衝撃を与えた「1492」にうれしい続編があった。金本が世界記録である連続フルイニング出場1492試合目のユニホーム、スパイク、帽子をアメリカの野球殿堂博物館に寄贈することを発表した。「自分が野球を通じて残してきた物が、アメリカ野球殿堂博物館に形として展示してもらえる事はとても栄誉あることでうれしく思いますし、身の引き締まる思いです。博物館にも一度行って実際に見てみたいです」。博物館側の要請に応じたもので、野球界に身を置く人間にとって、最高の栄誉。感激の気持ちを隠さなかった。

 世界にも類を見ない鉄人的な業績が、野球の祖国でも高く評価された。06年に米大リーグ、カル・リプケン氏の持つ世界記録(903試合)を更新した。その後もフルイニング出場を継続したが、18日に右肩痛を理由に自らの意思でスタメンから外れることを決意。その英断が球界に大きな反響を巻き起こした。これが同館の出品要請につながった。

 専務理事を務めるエリック・ストール氏はコメントを寄せた。「1492試合フルイニング連続試合出場の業績を残した金本知憲選手の記念品を受け取ることは誠に光栄なことです。記録は終わりを迎えましたが、金本選手が10年以上も続けられた『鉄人的な』業績から生まれた芸術ともいえる寄贈品を通し、我々は、今日からこれからの世代へ向けて、金本選手がどれだけの功績を野球界に残したかを国際的に示す事ができるでしょう」。

 今回の朗報は、阪神にも光栄なニュースだ。南信男球団社長は「永久に抜かれることのない不滅の記録でしょうからね。タイガースで初めてじゃないですか?

 たいへん名誉で誇りに思います」と声を弾ませた。同球団社長は以前に野球殿堂に足を運んだことがあるが、日本のコーナーは「イチロー一色だった」と印象に残っている。西の名門球団からの“殿堂入り”はチームの発奮材料にもなる。もちろん、スタメン復帰を目指す金本にとっても、最高の「治療薬」になることは間違いない。【田口真一郎】

 [2010年4月27日11時4分

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