<ソフトバンク4-0楽天>◇29日◇福岡ヤフードーム

 松中さんの分までオレが…。ソフトバンク松田宣浩内野手(26)が楽天戦(福岡ヤフードーム)で2戦連発の5号2ランをかっ飛ばした。4回、楽天先発ラズナーから先制のバックスクリーン弾。この日、松中信彦外野手(36)が打撃不振で出場選手登録を抹消。師と仰ぐ主砲の不在に燃え、28日から2戦で3発の大暴れだ。チームは今季初の同一カード3連勝。貯金を今季最多の5とし、首位ロッテには1・5ゲーム差と接近。5月1日にも首位に浮上する。

 男・松田が高めの悪球を執念でしばき上げた。0-0の同点で迎えた4回裏。1死一塁での第2打席。楽天ラズナーに、あっさり2ストライクと追い込まれた。3球目。捕手井野は、中腰でミットを構えた。ラズナーの投じた球は、あきらかにボール球。それを、逃さなかった。「ボール球でしたけど気持ちでいった」とフルスイング。先制2ランを、バックスクリーンにたたき込んだ。

 2試合3発の大暴れだ。「マッチ(松田)が調子いいね。ボール球?

 マッチにはストライクなんだよ。つまり気味であそこまで持っていくのは大したもんだよ」と秋山監督。28日の2発に続く第5号で、3連勝をもたらした5年目スラッガーを褒めちぎった。

 足でも貢献した。2点リードの6回。2死から死球で出塁すると、二盗に成功。相手失策もからみ三塁まで進むと、続く長谷川の内野安打で貴重な3点目のホームを踏んだ。8回にも、二盗に成功。これが相手失策を誘って三進し、長谷川の犠飛でダメ押しの4点目を奪った。1試合2盗塁はプロ初。「(盗塁は)自分の判断。いいプレーができた」。この日の得点すべてにからんでみせた。

 師匠の不在を、カバーしてみせる。この日、松中が打撃不振で出場選手登録を抹消。07年から4年連続でグアム自主トレに帯同するなど、師と仰いできた存在だった。開幕2戦目の日本ハム戦(札幌ドーム)延長11回に決勝の1号ソロを放った夜には、開幕1軍を逃し福岡にいた師匠から祝福の電話をもらった。「松中さんがおられないので、少しでも活躍したいと思う」。2軍で再調整する先輩とはまた少しの間、離れ離れになるが、活躍で刺激するつもりだ。

 チームは今季初の同一カード3連勝を飾り、貯金も今季最多の5とした。9連戦前最後の休日となった26日には、友人と自宅近くのスーパー銭湯に出向きリフレッシュした松田。「疲れは全くないし、体調はいいです」。松中の無念を胸に秘め、1・5差に迫った首位ロッテとの3連戦でも暴れまくる。【倉成孝史】

 [2010年4月30日11時19分

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