最下位に沈む日本ハムが、エースのダルビッシュ有投手(23)の「変動登板制」で巻き返しを狙うことが6日、分かった。昨季終盤の故障の後遺症に考慮し、今季は開幕から中6日の登板間隔を維持。心身ともに万全ぶりを見せていることから方向転換し、交流戦からは中5日での起用プランを視野に入れた。8日の楽天戦(函館)を最後に、リミッターが解除される大黒柱が、上位浮上の最大のキーマンになる。

 変幻自在にマウンドへ立つダルビッシュが、猛反攻の起爆剤になる。8日の先発で、交流戦前の登板が終了。12日阪神戦(甲子園)から開幕する交流戦では、開幕からの流れを止めて「限定解除」することが濃厚になった。梨田監督は函館へと移動したこの日、起用法の変更を示唆。登板間隔について「中5日は多分ある。中6日もあるし」と柔軟に投入していくプランを明かした。

 沈滞ムードのチームには、追い風になる。ダルビッシュは昨季、終盤戦で左臀部(でんぶ)痛など蓄積疲労が原因とみられる故障の不安を抱えたままフィニッシュ。開幕から、その影響に注意を払い、再発を防止するため中6日の登板間隔を維持してきた。その代償の1つが、登板日の土曜日固定。開幕戦と、今回の楽天戦以外は、すべて3連戦の2戦目の登板を任されてきた。

 基本のローテーション編成は、3連戦に先発する3投手で、力量の最も高い選手を初戦に起用するのがセオリー。開幕カード後3日間の中断期間があるという変則日程もあり、連戦の流れを左右しやすい1戦目に、ダルビッシュを配置できなかった。交流戦初登板が濃厚なのは15日広島戦(マツダ)、その次は中5日ならば21日横浜戦(札幌ドーム)と、いずれもカード初戦でマウンドに立てる。

 各カード2戦ずつで連勝、連敗をしやすい交流戦序盤で、初戦に登板できるメリットは十分だ。梨田監督は「試合が少ないしね。4連戦があったり中1日、空いたり不規則だからね」と理由を話した。もちろん現状の構想をはっきりと明かせないが、巻き返しを期す中心にいるのは、23歳の大黒柱。この日、函館入りし、今季2度目のエース対決になる8日の岩隈との投げ合いに備えた。ミラクル反攻を起こす前哨戦になる、決戦の地へ静かに降りた。

 [2010年5月7日10時11分

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