<日本ハム7-3楽天>◇9日◇函館

 楽天田中将大投手(21)が自己ワーストタイの7失点でKOされた。1回に連続長打を浴びるなど2点を献上。同点の7回2死には日本ハム高橋に満塁本塁打を打たれた。7失点もグランドスラムを食らうのも08年以来のこと。「申し訳ない。今ここで何を言っても『口だけ』になる。結果で応えるしかありません」と借金7の責任を負った。

 結果はもちろん、失点への過程も田中らしくなかった。終始ボール先行で、いつもの粘りもなかった。「点をもらった後、取られるのがダメ」と、5、7回の失点を悔いた。7回は2死から二岡に四球とし満塁。高橋への2球目は、真ん中高めへ入ってきたまさかの絶好球で、最後まで修正できずに降板した。

 必死のゲームメークをしていた中盤、変調のシグナルがあった。4回2死満塁、打者田中への3球目。全力で投げた直球が抜けると帽子が落ちた。バランスを重視し、脱力して制球するフォームを習得した09年からは頭のブレがなくなり、見られなかった光景だった。「原因は分かってます。切り替えのきっかけとする」と前を向いた。修正能力は屈指。立て直す期間は、中6日ある。【宮下敬至】

 [2010年5月10日7時54分

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