ホンダVSトヨタのスピード対決だ。セ首位の巨人は15日、パ首位のロッテを東京ドームで迎え撃つ。チーム打率で両リーグトップのロッテ打線を、いかに封じるか。強力クリーンアップの前を打つ2番荻野貴司外野手(24)をいかに抑えるかがポイントになる。パ・トップ22盗塁の快足ルーキーはトヨタ自動車出身で、対する巨人には、ホンダ出身のドラフト1位ルーキー長野久義外野手(25)がいる。スピードなら負けない!

 長野はワクワクしていた。ロッテ荻野貴とはホンダ時代の09年9月1日、都市対抗決勝で雌雄を決した。あれから約9カ月。東京ドームでチーム練習を終えると「投手と打者という直接対戦じゃないけど、どういうプレーをするのか楽しみですね」と素直な気持ちを口にした。

 同決勝では、長野のホンダが4-2で荻野貴のトヨタ自動車に勝利。13年ぶりの栄冠を手にした。自らも2点打を放った長野だが、好敵手のプレーが目に焼きついている。「荻野は肩は強いし、足も速い。いい選手ですよ」と認めた。

 共通点は多い。ともに社会人からドラフト1位入団。即戦力の右打ち外野手として、首位を走るチームのレギュラーを勝ち取った。2番定着の荻野貴に対し、長野は相手投手の左右次第だが、15日の初戦、ロッテは左腕成瀬が先発予定。2番長野の可能性は高い。お互い、強力クリーンアップにつなげられるかが勝負のカギとなりそうだ。

 原監督もロッテ打線を警戒する。「バランスの取れたチームだけど、どちらかといえば攻撃かな。スピードもある」と、荻野貴に代表される機動力にも注意を向けた。ここまで荻野貴の22盗塁に対し、長野は6盗塁。数に開きはあるが、原監督は「長野には足がある。2番の適性はあると思う」と分析した。長野は「チームが勝てばいいんで、個人的に負けられないというのはないです」と話したが、盗塁については「常に狙いたい」と力強く宣言した。ホンダ仕込みの快足エンジンのギアを上げるつもりだ。【古川真弥】

 [2010年5月15日10時2分

 紙面から]ソーシャルブックマーク