<オリックス2-8広島>◇19日◇京セラドーム大阪

 2年ぶりに先発出場した広島前田智徳外野手(38)が、快勝を呼び込んだ。オリックス戦に「5番DH」で出場。08年7月25日以来のスタメンで5打数2安打と健在ぶりを示した。左翼席のカープファンから拍手と大歓声が起こった2回の第1打席、先発小松の内角高め直球を振り抜き、右翼線へライナーで運ぶ二塁打。チーム初安打で打線を乗せた。

 活気づいた打線は、3回に石原の3号ソロで先制。4回に3点、6回にも4点を加え、11安打8点の猛攻で大勝。前夜大敗した借りを返した。前田智は「勝ったのが何よりじゃ。それが一番。ワシが出て負けるのはあかんやろ」と振り返った。

 ベテランの気迫は最後まで衰えなかった。5回打席に立ち、9回には、中前へ抜けようかという当たりを二塁手後藤に好捕されたが、全力疾走で内野安打に。過去にアキレス腱(けん)を手術し、昨季は腰痛から相次ぐ下半身の故障で1軍出場なし。それでも、顔をしかめながら一塁へ駆け抜け、一塁側スタンドからも拍手が寄せられた。

 野村監督は「よく準備していてくれた」と賛辞を贈った。今後も下半身の状態を見ながら、DHとして起用していく。

 [2010年5月20日8時43分

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