<西武6-4ソフトバンク>◇20日◇西武ドーム

 西武の「恐怖の9番」細川亨捕手(30)のバットが止まらない。2点を追う3回2死満塁、ソフトバンク杉内から逆転の6号満塁本塁打を放った。自身初の3試合連発に加え、この3連戦2本目のグランドスラム。今カード前まで59試合で15打点だった男が、3日間で12打点の大フィーバー。チームは9番打者に引っ張られ、今季2度目の同一カード3連勝で貯金を今季最多タイの16とした。

 一番ビックリしていたのは、打った細川だった。片岡にはお辞儀で迎えられ、ベンチでは先輩後輩関係なく、頭をたたかれた。8回に二塁打を放つと、ソフトバンク川崎に「いいもん持ってますね」と肩を触られた。上下関係も、チームも超越する集中猛打に「野球人生でこんなに調子がいいのはない」と自画自賛した。

 この3連戦は神がかっている。初戦はダメ押しの満塁弾、第2戦は逆転3ランを含む4打点、そしてこの日の逆転満弾。3発はいずれも8番阿部が四球で歩いた後で、渡辺監督は「二度あることは三度ある。低めの難しい球をミスショットすることなく仕留めた」と絶賛した。同一カードでの複数満塁弾は、西武では93年の秋山(2試合連続)以来。敵将の目の前で、恐怖の9番打者が3戦全勝を導く快挙を演じた。

 もともとロングティーなどでも軽々とスタンドに放り込むパワーの持ち主。「今日の杉内はあんまり良くない」と言えるほど、ボールがよく見えた。リーグトップの防御率を誇る投手陣を巧みにリードし、配球の読みも好調のバットを支える。19日は和田、この日は杉内と、いずれもハーラートップ9勝左腕からの一撃だけに価値が高い。

 2児の父にとって最高の父の日になった。チームにはおそろいの「親父リストバンド」をつくって配り、ムードを高めた。4歳の長男からは似顔絵をもらい「全然似てなくて。なぜか今は生やしてないひげがあるんですよ」と優しいパパの顔になった。安打ではなく、本塁打でないと子どもから「打ったね」と祝ってもらえないのが悩みの種だった。文句なしの3試合連発に、胸を張って帰宅した。【亀山泰宏】

 [2010年6月21日9時35分

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