<楽天10-8西武>◇23日◇Kスタ宮城

 4時間ゲームを取った楽天の正捕手は、精根尽き果てていた。生気の抜けた顔で「遅くなってしまって、すいません」とつぶやくと、同情した報道陣の人垣が解けた。2番嶋基宏捕手(25)が猛打賞&2打点と機能し、楽天が派手な逆転で最下位転落を逃れた。

 午後9時を回ってまだ6回。仙台の梅雨同様、じめっとした展開だった。3点リードの西武は継投で逃げ切りモード。だが下位からの楽天打線が許さなかった。1死から8番平石、9番内村が連打。上位に回った。そして2死後、嶋が内角球をおっつけ右前へ運び2点差。「必死でよく覚えていない」1本を機につるべ打ちが始まった。高須の中前打で1番から6者連続得点が完成すると、ベンチは歓喜に沸いた。だが嶋は捕手らしく油断しなかった。「(6回に)7点取った時点で『絶対負けられない』と思った。元も子もなくなる」。7回2死、前打席をなぞるような右前打。鉄平の三塁打で長駆生還した10点目が効果絶大だった。

 現代プロ野球で極めて珍しい、2番を務める正捕手だ。「少し疲れてますが、手放すつもりは毛頭ない」。3割3分2厘の高打率を維持するが、1日でも打撃の違和感を感じると「調子に乗ってる。トップの位置を少し下げて小さく。体を常に、レベルに保って…」と自戒を忘れない。ブラウン監督は「嶋は『こうやって打っていこう』と示した。非常に大きな1本」。必死を通して夏を迎えた嶋が、いつの間にか、10年楽天の象徴となっていた。【宮下敬至】

 [2010年6月24日8時19分

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