<オリックス6-0西武>◇8日◇京セラドーム大阪

 エースが2試合連続&今季4度目の完封勝ちだ。オリックス金子千尋投手(26)が西武打線を3安打でゼロ封。緩急をつけた投球術で6回2死満塁のピンチも中島を打ち取り、あとはスイスイと今季6勝目を手にした。一時6点台だった防御率も3・90まで回復。2試合連続逆転負けしていた重い空気を一掃した。

 七夕の翌日に連敗阻止の祈りが通じた。スコアボードを0で守り通した金子千がマウンドで胸を張った。「できれば自分1人で投げきりたいと思っていましたので」。2試合連続の完封勝利。西武に連夜の逆転負けを食らい、沈み切っていたチームに笑顔が戻った。

 直球は最終回でも140キロ後半を計測。チェンジアップ、カーブとのスピード差で相手を崩した。6回2死走者なしから招いた満塁のピンチ。右腕を邪魔したかつての雑念を振り払い、打者だけに集中する金子千がいた。「悪い時は打たれたらどうしようとばかり考え、交わす投球だった。今は打たれたら次の打者を抑えたらいいと」。迎えた4番中島に速球と緩い変化球を交互に4球投げ、最後はフォークで三ゴロ。あとは最後まで突っ走った。

 母校の長野市立朝陽小に届ける白星でもあった。6月25日。同校に寄付した芝生が校庭の一角600平方メートルに植えられた。「自分が子を持つ親になって分かったのですが、意外と砂の校庭は怖い。芝生の上なら思い切り遊べますから」。はだしで駆け回り、転んでもけがが小さくて済む。ビデオメッセージでは元気な子になってほしい願いと、それに恥じない活躍を誓っていた。養生開始から2試合完封と先輩として威厳を示すことができた。

 一時の不調で防御率は6・16まで悪化したが、19イニング連続無失点で3・90まで回復。ただ、エースと呼ばれる存在として満足できない。「完封はうれしいけど、素直に喜べない。それ以外の試合が…。防御率が物語ってます」。チームは再び貯金1ながら順位は5位。金子千の快投なくして激戦のパ・リーグをはい上がることはできないはずだ。まだ6勝のエースだが、威信回復を示すには十分な夜だった。【押谷謙爾】

 [2010年7月9日11時21分

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