<西武7-0日本ハム>◇15日◇西武ドーム

 プロ3年目の西武平野将光投手(27)が、日本ハム戦で3安打完封勝利を飾った。08年以来の通算2勝目で、これが初完投。6回1死まで無安打、三塁を踏ませない快投だった。昨年は5試合登板で未勝利と精神面の弱さを克服できなかったが、この日は打球直撃にもひるまぬ力投。渡辺監督に「草食系」と呼ばれたイケメン長身右腕が、一気に表舞台に飛び出てきた。

 ローテの谷間に、花が咲いた。新鋭・平野が、打線好調の日本ハムをわずか3安打に料理した。実力はあっても、試合で発揮できない。甘いマスクで、優しい性格ゆえ「草食系」「ガゼル(動物)」などと呼んで発奮を促してきた渡辺監督は「まさかこんなすごい投球をすると思わなかった」と脱帽した。潮崎投手コーチも「この投球は誤算です」と真顔で言った。誰もが予期せぬ完封劇だった。

 本拠地ファンから自然発生した拍手の後押しを受け、力を振り絞った。最後の打者・稲葉を右飛に打ち取り、初完投を完封で飾った。今季2度目の登板で、ルーキーイヤーの08年以来となる通算2勝目に「できすぎ。運を使っちゃった感じですかね。調子がよくて珍しく、思ったところに投げられました」。イケメンぞろいの西武に、人気面でも期待できる“新戦力”が加わった。

 186センチの長身から、常時140キロ台の直球を投げ下ろした。ストライク先行で2種類のフォークと、スライダーもおもしろいように決まった。プロの厚い壁に苦しみ「フォークだけでは通用しない」と直球とフォークの中間球速のスプリットを習得。カウント球にも勝負球にも使える130キロ後半の新球も交え、凡打の山を築いた。6回、陽に初安打を許しても、8回に金子誠の痛烈な打球が左すねに直撃しても動じない。「痛かったけど、せっかくの完封チャンス」と続投を志願。ベンチでテーピングしてマウンドに戻り、130球を1人で投げ抜いた。

 マウンドでどこか不安そうだったこれまでの頼りなさは消えていた。石井一、岸が離脱した先発陣に台頭した3年目に、渡辺監督は「苦しい中でこういう投手が出てきてくれると助かる」と心から言った。続けて「岩隈っぽいと思った」と球界を代表する本格派右腕にたとえて絶賛した。野手には、中村の故障で「左のおかわりくん」坂田が出現。強いチームには若い力が次々と出てくる。主力不在のチャンスに、平野が「肉食系」の力強さでローテを奪いとった。【柴田猛夫】

 [2010年7月16日8時41分

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