<阪神8-7中日>◇1日◇甲子園

 最後のとりでは守り抜く!

 阪神の守護神、藤川球児投手(30)が今季初めて3日連続で登板。しかもそのうち2試合目のイニングまたぎという過酷な条件を、しのぎ切った。1点リードの8回2死で登場。9回に連打で走者を許したが、無失点で切り抜けた。チームは球宴明けから負けなしの4連勝で、0・5差で首位を死守。3日から敵地で2位巨人との3連戦に臨む。

 いつもの藤川球ではなかった。それでも抑えた。あと1球コールが、どよめきに変わった。最後の1球は、浮き上がるような火の玉ではなかった。大島のバットの下を138キロのフォークが通過した。スタンドからは、ジェット風船が解き放たれた。だが、城島のミットにボールが収まっていない。急いで一塁へ転送され、間一髪のタイミングでアウト。しのぎを削った3連戦を象徴するような幕切れで19セーブ目を挙げた。「今日が最後だと分かっていました」。長期ロードに出発する守護神の帽子は、つばの先までじっとり汗がにじんでいた。

 まさかの展開だった。8回2死から久保田が2者連続アーチを浴びた。ざわつくスタンド。ブルペンの電話が鳴った。真弓監督にとっても、苦渋の決断だった。「本当は我慢したかった…。ちょっと嫌な雰囲気だった。あんなところで、2本続けて、打たれるとは、考えにくいんだが…」。指揮官は藤川球の名を球審に告げた。初戦に続く8回途中の緊急登板だ。

 守護神は覚悟を決めていた。「優勝が絡む接戦になるから、勝つんやったら、あるだろうと思った」。今季初の3日連続登板だ。「前から比べたら投げてない方でしょう。これでできなきゃ練習不足ということです」。頼られると、意気に燃える男は表情を変えず、マウンドに上った。

 勝負に徹した。8回2死、和田への初球はフォークだった。結果は四球。ファンも異変を感じていた。野本に直球を3球続けて当てられるとスタンドがざわついた。23球のうち、直球は15球にとどまった。直球で空振りをとれたのは1球だけだった。万全ではなかった。それでも気力で抑えた。

 後半戦は引き分けを挟んで4連勝。苦にしていた中日との対戦成績も五分に戻した。藤川球は今季初のお立ち台で力強く言った。「ロードに出てもテレビを見て、応援してくれると思うので、粘り強く戦ってきます」。3日からの巨人戦で、長期ロードが幕を開ける。【鎌田真一郎】

 [2010年8月2日9時33分

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