<ソフトバンク5-9日本ハム>◇15日◇福岡ヤフードーム
たまりにたまったうっぷんを、右翼席に突き刺した。両軍無得点の5回裏2死一塁。ソフトバンク長谷川勇也外野手(25)が、ついに武田勝の球をつかまえた。カウント2-2からの5球目。内側から鋭く切れ込んでくるスライダーを芯でとらえた。右翼席最前列への先制2号2ラン。今季5度目の対戦で初めてとなる本塁打で、天敵から22イニングぶりの得点を奪った。
長谷川
追いこまれていたんで、インスラ(内角スライダー)は頭にあったけど、うまく反応できた。
“超天敵”攻略まであと1歩だった。先制2ランに続き、3点を追う8回裏にも中前打で出塁。本多の適時打で3点目のホームを踏み、試合前まで対戦防御率0・31と完ぺきに封じ込まれていた左腕をマウンドから引きずり降ろした。
長谷川
1球1球出し入れしてくるので粘っていかないと思った。しっかり呼び込んで『直球に振り遅れてもいい』くらいの気持ちでいった。追い込まれていたし、久しぶりだからびっくりした。
103日ぶりの1発が何かを思い出させた。結局左腕には通算5連敗となったが、攻略のヒントをチーム全体に与え、自身の復調への手がかりにもなった。チームトップの打率3割1分2厘を残した昨季でも、アーチは7本放っている。だが今季は開幕から苦しみ2軍落ちも経験した。大ブレークした昨季は打率をチェックすることはなかった。「数字とか結果よりも、打席で自分の考えをしっかり出せるかどうか」にこだわった。
昨季との比較で、周囲から「考えすぎ」との声も聞こえた。「納得のいく打撃をしたいけど、結果を出さないと、そんなことは言ってられない」。悪循環で思い悩んだこともあった。だが「振り遅れてもいい」ほど球をギリギリまで引きつけ武田勝を攻略した打撃は、逆方向への安打を量産した昨季の打撃そのもの。「これをいいステップにして、西武戦も頑張りたい」。光が差し込んだ。
この1週間、オリックス近藤、日本ハム・ダルビッシュと天敵をなぎ倒してきた。最難関の天敵は倒しきれなかったが、つめ跡は残した。秋山監督も「しょうがない。切り替えて」と敗戦にも明るく、西武3連戦に目を向けた。
[2010年8月16日11時40分
紙面から]ソーシャルブックマーク



