<日本ハム5-4西武>◇20日◇札幌ドーム

 記録的快投が、土壇場で報われた。日本ハム・ダルビッシュ有投手(24)が、最後に笑った。7敗目を喫するのを覚悟したアイシング中に、奇跡的な一撃に救われた。3点ビハインドの最終9回2死一、二塁、あと1死でジ・エンド。「もうきついかな、と思っていた」ところで、飯山のサプライズ同点弾が飛び出した。黒星も免れ、チームの劇的な白星につながった。

 9回10奪三振で、今季174奪三振。球団史上初、パ・リーグ7人目となるシーズン10度目の2ケタ奪三振の金字塔を打ち立てたが、悪夢のような7回に泣いていた。1死から5本の集中打を浴びた。3本の適時打で一挙4失点。外角の変化球を狙い打たれた。「うまいこと合わされたというか。最低でも2点で止めておかないといけなかった」。2回に中田の先制弾の1点の援護をもらっただけ。西武平野との我慢比べで、スキを見せた一瞬を突かれた。

 バックネット裏のヤンキースとメッツ、ナショナルズの米3球団の視線をくぎ付けにした。2回まで全6個のアウトが三振。いつも通り、1対1の対決では圧倒したが「調子が良くても失点が多かった」と反省部分を冷静に見据えた。先発マスクで2度目のコンビとなった大野とテンポ良く試合をつくる収穫もあった。「(対策で)どうすればいいかも分かった。自分も次はしっかり投げるように頑張る」。不動の大黒柱がスイッチを入れ直す、大きな起点になった。【高山通史】

 [2010年8月21日10時22分

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