<日本ハム5-4西武>◇21日◇札幌ドーム

 勝負を決める一瞬に魂を込めた。「なぜか自分自身がうれしかった」。命運を託された日本ハム中田翔内野手(21)は心を躍らせた。西武に4点リードを追いつかれた直後の6回、1死二塁で勝ち越しのチャンスをもらった。「二岡さんが(送り)バントして、(自分も)最低限の仕事をしたい、期待に応えたいと思いました」。

 マウンドで仁王立ちする涌井との勝負。直前の2打席目で痛烈な左翼打を放っていた。マウンドに円陣ができ、敬遠の選択肢も少なからず想定できた。しかし中田は確信していた。「オレを歩かせるようなもったいないことはしないでしょ」。初球の変化球が暴投で1死三塁に得点の可能性が膨らむと「甘い球がきたら、いこうと思っていた」と腹を決めた。

 きっちり見極め、打者有利のカウント1-3へ持ち込む。やや高めに抜けたチェンジアップに反応した。軽々と大飛球を中堅まで運んだ。犠飛で決勝点になった。「今までの自分だったら間違いなくマン振り(フルスイング)していた」。梨田監督は「配球が読めているとか、そういうところもある」と成長を認めた。

 前回7月31日に1発を放った涌井を、また沈めた。最近ベンチ裏では、奔放な言動で注目を集めた入団当初からの軌跡を、担当コーチらに懐かしく振り返ることがあるという。「あのころはガキでした」などだそう。結果だけではなく、そんな姿に周囲も進化を認め始めた。チームを連勝に導き、3カードぶりのカード勝ち越しで貯金2。逆転Aクラス入りへの上昇気流に乗せた。【高山通史】

 [2010年8月22日10時25分

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