<巨人6-4中日>◇24日◇東京ドーム
原巨人が「復刻版ユニホーム」で初勝利をマークし、首位に再浮上した。先週、ナゴヤドームで3連敗した中日に競り勝った。一時は4点のリードを追いつかれたが、8回に小笠原道大内野手(36)の決勝26号ソロ。敵地では11打数無安打、阪神戦ではバント(記録は投飛)までした男が、チームを4連勝に導いた。
ウイニングボールは、この男の手に落ちてきた。9回2死、一塁ベース近くで中日堂上剛の飛球をグラブに収めると、小笠原はようやく口元を緩めた。
決勝アーチを放っても、ニコリともしなかった。4-4の8回、先頭で清水から26号ソロ。真ん中に入ったスライダーを右翼席奥深く突き刺した。ファンの大歓声を受けても、仲間とハイタッチを交わしても、表情は厳しいまま。試合後、そのことを問われると「いつもそう。ゲームセットになるまで何が起こるか分からない。気を引き締めて最後までやらないと。その気持ちが、そうさせたのかな」。まして、この日は4点リードを追い付かれた。全身全霊をかけ戦い抜いた。
自らのバットで決勝ホームを踏み、現役3位の得点は通算1073まで伸びた。17試合連続得点のプロ野球記録を持つが、その記録が最近“危機”にひんした。脇谷が5日、15試合連続得点のリーグ新記録を達成。残り2試合まで迫られた。9年前に日本ハムでプロ野球記録を樹立したときのことを聞かれ、即答した。「みんなでつくる記録。たまには本塁打を打つことはあっても、1人でどうこうなるものじゃない」。
ただ、後輩に向ける目は優しかった。「でも、どんな記録でも脇谷にとってはいい経験になるだろう。どうすればいいか考えてプレーすることがね。同じチーム。抜いてくれるなら大歓迎だよ」と笑った。実は、ちょっとした勘違いをしていた。連続試合得点のプロ野球記録保持者について「タフィー・ローズじゃないの?
おれじゃないと思う。新聞、間違ってない?」と真顔で言った。自分の記録よりチームの勝利を重んじるガッツらしかった。
60年前の復刻ユニホーム初勝利にもなった。1週間前、名古屋で同じユニホームを着て3連敗。阪神が敗れたため、記念の白星が首位奪回をもたらした。原監督は「1戦1戦ということは変わりないが、1つ取ったことでさらに勢いに乗って明日に臨みたい」と前を向いた。小笠原も同じ気持ちだ。前回3連戦で11打数無安打を喫した中日にやり返したが「試合が始まれば(前回のことは)考えてなかった。目の前に集中。明日も今日と同じように全員で」。勝利の笑顔もつかの間。再び、ギュッと口元を引き締めた。【古川真弥】
[2010年8月25日12時22分
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