<阪神4-5広島>◇24日◇京セラドーム大阪
強い黒虎の本拠初お披露目は黒星に終わった。4-4同点の9回、藤川球児投手(30)が広島嶋に10号決勝ソロを浴びた。17日の横浜戦以来、中6日空いてのマウンドという不運はあったが、裏をかいたはずのフォークの失投を仕留められた。藤川はリリーフ定着後、自己ワーストに並ぶ5被弾目。巨人が勝ったため、8月15日以来守ってきた首位の座からも陥落したが、守護神も城島も「しゃあない」と前を向いた。
球場の誰もがぼうぜんと打球の行方を見つめた。右翼席フェンスを越えた瞬間、現実に引き戻される。忘れていた。藤川も“人間”だった。同点で迎えた最終回。広島嶋に投じた初球フォークは、うまく抜けなかった。「しゃあないね。(制球ミスを)言い出したら、キリがない。そういうときもある。相手がうまかった」。
修羅場をくぐり抜けた男が、暗い顔を見せなかったのが救いだ。それでも現実は厳しい。痛恨の決勝被弾。守護神が打たれ、15日以来、堅持してきた首位の座から滑り落ちた。4連敗の悪夢に、雰囲気はズシリと重かった。
今年のチームの特色が藤川を悩ませている。勝つときは大差で敵を圧倒。故障者続出で戦力ダウンの先発陣が粘れずに、この日のように先が読めない展開も多い。最終回のマウンドに向け、メンタル面を万全に整えることが難しい状況となっている。もっとも本人は言い訳しない。「まだ週の頭だから、(今週は)5試合ある。また明日から、がんばります」。次の登板を信じて待つだけだ。
当然、指揮官は守護神をかばった。「ちょっと空きすぎているのかな…」。前回から中6日の間隔があった。3点差以内の展開となれば、15日のヤクルト戦以来。舞台は同じ京セラドーム大阪だった。許したヒットは嶋のソロアーチ1本だったが、他を寄せ付けない投球は影を潜めていた。
大阪で流れは変わるはずだった。敵地での巨人戦はまさかの3連敗。それでもまだ期待感はあった。今回の3連戦は4試合ぶりに復刻版の黒ユニホームを着用。前回は3戦全勝、すべて2けた得点の破壊力だった。しかし新ダイナマイト打線は不発に終わった。3回以降、ヒットはたった1本。西村、久保田と必死のリレーでつなごうとしたが、悪い流れを断ち切ることはできなかった。真弓監督も「なかなか追加点が取れなかったのが、敗因だ」と渋い表情を浮かべた。
下を向いている暇はない。巨人、中日との3強レースはまだまだ続く。指揮官は周囲を諭すように言った。「しかし、こういうこともある。そんなに焦らないで、じっくりと打席で構えてほしい」。相手より1点でも多く取って、藤川につなぐだけ。ひとつ白星を手にすれば、再び勢いはつくはず。今が我慢のときだ。
[2010年8月25日11時43分
紙面から]ソーシャルブックマーク



