今日決める!

 優勝マジック2が点灯したソフトバンクの杉内俊哉投手(29)が、初の胴上げ投手に挑む。24日、25日の日本ハム戦(札幌ドーム)に向けて札幌入りした。ダルビッシュとのエース対決を制し、西武が負ければ7年ぶりのリーグ優勝が決まる。午後5時半、夕暮れの札幌に降り立つと「とにかく勝てばいい」。呪文(じゅもん)のように同じ言葉を3度繰り返した。

 7年前の心残りをぬぐい去るチャンスがめぐってきた。マジック1で迎えた03年9月30日のロッテ戦。先発したものの4回途中6失点で降板した。打線が爆発して逆転勝ちを収めて優勝したが「大事な試合で投げさせてもらったのに…」と肩を落とした。この日は「楽しみじゃないよ」「そんなプレッシャーかけんでよ」とかわしたが、当時とは違う、エースとしての自覚にあふれている。

 ダルビッシュとの投げ合いは今季3度目。3月20日の開幕戦に勝ち、11日の対決では敗れ1勝1敗。「僕が頑張れば接戦になる」。奪三振王争いでともに209個でトップに並ぶライバルとの投手戦は望むところだ。

 8月21日の楽天戦の15勝目を最後に白星がなく、最近4試合で0勝2敗、防御率9・58と苦しむ。だが、もう内容にはこだわらない。欲しいのは結果だけだ。奇跡的な逆転劇のフィナーレは、もう目前。シーズン最終登板で、すべてに決着をつける。【太田尚樹】

 [2010年9月25日8時46分

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