<楽天2-4日本ハム>◇24日◇Kスタ宮城

 日本ハムが楽天岩隈を攻略し、141試合目で今季初の単独3位に浮上した。2-2の6回2死満塁から、田中賢介内野手(29)の中前2点適時打で勝ち越しに成功。2回途中から好救援の榊原諒投手(25)が10勝目をマークした。5年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出へ、残り3試合。25日はエース・ダルビッシュ有(24)を立て、本拠地札幌ドームに戻ってソフトバンクを迎え撃つ。

 18・44メートルを挟んだ“一騎打ち”を、田中が的確なバットコントロールで制した。同点の6回。無死満塁が2者連続三振で2死満塁となった。「あそこで点が入らなかったら、完全に流れが(相手に)いってしまっていたと思う」。スタンドも息をのんだ楽天岩隈との駆け引き。カウント2-3から7球目のフォークをはじき返し、打球は相手の足元を抜いて、中前まで転がった。「ピッチャーの正面に飛んだけど、抜けてくれて良かった」。CS進出を大きく手繰り寄せる、決勝の2点適時打だった。

 得点圏打率リーグトップの4割1分7厘。勝負強さをいかんなく発揮した。3球連続の直球でカウント2-1と簡単に追い込まれたが「相手だってプレッシャーはある。粘って2-3にできたのが良かった」。初めて投じられた4球目の低めフォークを見極めると、続くフォークもファウルで粘り、立場は逆転。最後は少し甘く入った決め球フォークを芯でとらえた。

 田中が打撃の調子を上げ、月間MVPを獲得した6月以降、チームはハイペースで白星を重ね、最大14あった借金がなくなった。打線を引っ張った1番田中と2番森本のコンビは、綿密な“打ち合わせ”で相手を攻略していった。

 対戦相手の先発投手が決まると、2人だけのミーティングを行う。「あの投手とあの捕手なら、盗塁を狙えます」。「分かった、じゃあ追い込まれるまでバットは振らない」。その逆もある。2人だけの約束を交わし、どうすれば自分たちのプレーがチームの勝利に結びつくかを考えてきた。

 その森本の3回の送りバントが、プロ野球記録となるチーム175個目の犠打となった。梨田昌孝監督(57)は「記録をつくるためにやっているわけじゃないけど、それがファイターズの野球だから」と満足そうに振り返る。選手個々の「考える野球」が浸透している証しであり、それをけん引しているのが田中と森本の1、2番コンビだ。

 試合がなかったロッテに0・5ゲームの差をつけ、今季初めて単独3位に浮上した。田中は「それは1日でまた全部変わるから。また明日、全力でプレーするだけ」と気を引き締めた。残り3つ。昨季王者の地力を見せる時が来た。【本間翼】

 [2010年9月25日11時14分

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