<楽天8-3ソフトバンク>◇26日◇Kスタ宮城

 SoftBankのMiracle(奇跡)は、必勝継投「SBM」が支えた。この日は、出番がなかったものの、摂津正投手(28)ブライアン・ファルケンボーグ投手(32)馬原孝浩投手(28)のトリオがそろい踏みすれば29勝3敗2分け、勝率9割6厘と驚異的な数字を残した。ファルケンボーグと摂津は2人そろって42ホールドポイントを稼ぎ、リーグ最優秀中継ぎ投手のタイトルを確定させた。

 歓喜の輪に加わったファルケンボーグは「中継ぎが終盤に頑張った。優勝はみんなが頑張った結果だ」と胸を張った。今季32セーブの守護神馬原は「優勝できたことがうれしい。入団してから優勝していない、というのをもう言わずに済む」と声を弾ませた。

 SBMの3人で勝利試合の約8割に貢献。今季勝利した76試合のうち「SBM」の3人が誰も登板しなかったのは17試合だけ。光ったのは被本塁打の少なさだ。3人でのべ205イニングを投げわずか4本。合計防御率も1・71と鉄壁を誇った。

 馬原は「3人が年間を通して離脱しなかったのが大きい」と強調する。「SBM」結成1年目の昨季は、9月中旬にファルケンボーグが右ひじ痛で戦列を離れてから一気に失速した。今季は高山投手コーチが「休ませる時は休ませる」と積極的に休養日を定め、消耗を最小限に防いだ。甲藤、森福、金沢と「新メンバー」が続々と加わったのも大きかった。

 結束力も強かった。終盤戦を迎えた8月16日夜、遠征先の都内の焼き肉店にリリーフ陣全員が集まり「決起集会」が開かれた。馬原が中心となって声をかけ、摂津は幹事役として店などを手配した。翌17日の西武戦では同点の3回から甲藤を投入するなど、スクランブル態勢に入った時期。苦しい時も助け合って頑張ろう-。肉をつつきながら、心は1つになった。

 いくつもの「師弟関係」が中継ぎ全体を底上げした。馬原は1月の自主トレで摂津を帯同させ、毎晩、互いの投球時の映像を見ながら意見をぶつけ合った。「SBM48」として活躍した甲藤は制球力向上へテークバックの小さい摂津のフォームをまねただけでなく、スパイクまで同じモデルにした。左足に3本多く歯を配置して、踏み出す足の安定感を増した。

 秋山監督は「中継ぎが本当に頑張ってくれた」とたたえた。摂津も「この後のこと(CS)もあるので、しっかり頑張りたい」。ペナントレースを戦い抜いた、頼れるリリーバーたちは日本一を争う短期決戦でも実力を発揮してくれるはずだ。

 [2010年9月27日11時14分

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