日本ハムが、今オフに「伝説」を築いた指揮官と電撃合体することが24日、分かった。在任時に日本一1度を含むリーグ優勝2度を遂げた前監督のトレイ・ヒルマン氏(47)が12月に緊急来日し、北海道を訪問することが内定した。滞在時のイベントなどで現役選手らと共演する見込み。5年ぶりBクラスに沈み、巻き返しの来季を狙うチームのカンフル剤になりそうだ。

 パ・リーグ連覇を遂げた07年を最後に5年間、日本ハムを率いたヒルマン氏が3年ぶりに来札する。今季途中で成績不振で解任されるまで米ロイヤルズを指揮。来季からドジャースのベンチコーチ就任が濃厚と多忙なオフを過ごしているが、同氏のたっての希望で実現することになった。同氏の関係者は「向こうへ戻ってからもずっと北海道、日本ハムを気に掛けていましたから」という。

 日米野球界に精通するだけに、今の日本ハムにはまさに「宣教師」になる。来日時にはトークショー、12月18日から2日間の札幌ドームでの「ウインターアスレチックフィールド2010」のイベントに登場予定。かつての教え子だった選手たちとの共演も、球団側の協力と理解を経て調整中だ。ヒルマン氏も日本ハム時代と違う経験を積んだだけに、選手には当時と違った角度からのアドバイスもありそうだ。

 日本ハムは、今季は同氏が監督だった05年以来、Aクラスから陥落。その翌年にチーム改革を断行して日本一、続いてリーグ連覇と華々しい「ビフォー・アフター」を果たした。何より選手が当時の記憶を呼び覚まし、来季以降の再現をもくろむための、心のよりどころになりそうだ。期間限定の幸運の使者が、失意のオフを少しは明るく変えてくれそうだ。

 [2010年10月25日11時43分

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