右肩手術の影響でリハビリ中のソフトバンク斉藤和巳投手(32)が4日、いったん現役引退する考えを球団側に伝えた。新設されるリハビリ担当コーチに就任し、故障選手を指導しながら自らも現役復帰を目指す。復帰メドが立たないため育成契約を打診されていたが、貢献度を考慮する球団側に歩み寄り、けじめをつけて再スタートする。

 斉藤が、いったん現役引退する覚悟を固めた。03年から06年間の4年間で64勝を挙げたが、08年1月の右肩手術の影響でここまで登板機会ゼロ。今年2月に再手術を受けたが、実戦復帰のメドが立っていない。いったん自由契約となって支配下選手枠から外れ、新設されるリハビリ担当コーチとして故障選手を指導しながら現役復帰の道を探ることを決めた。球団事務所を訪れ、決意を伝えた。「これが正解かは分からないが、リハビリ担当(コーチ)としてマウンド復帰できる自分を探していこうと考えている」と話した。

 球団側は、斉藤の実績とチームへの貢献度を配慮し、今回の措置に踏み切ったとみられる。復帰メドが立たない選手に、これ以上支配下枠を割り当てられず、当初は育成契約を打診していた。

 だが、元エースの心情と再起にかける思いを尊重。回復すれば現役復帰することを前提に、コーチに据えることを決めた。小林至取締役(42)は「いつまでも待ちたい。復帰を本人が希望する限り、全力でバックアップする。1軍でできる可能性のメドが立ったところで実戦形式で投げて、首脳判断が得られれば」と説明。背番号は現在と同じ66となる。

 指導者としてどういう形でチームにかかわるかは、今後の話し合いで決められる見込み。復活への決意を胸に秘め、斉藤がコーチに転身する。

 [2010年11月5日11時21分

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