佑ちゃんが本気のトラに立ち向かう!

 セ、パ両リーグから11年のオープン戦日程が発表された14日、日本ハム梨田昌孝監督(57)が、ドラフト1位早大・斎藤佑樹投手(22=早実)を最終戦の3月21日阪神戦(札幌ドーム)で先発させる考えを明かした。ベストの布陣を組む予定の猛虎打線を相手に、約4万2000満員が確実視される本拠地で、斎藤佑にとっては願ってもない予行演習となる。打たれても、封じても、得がたい教訓を得て、3月25日開幕の公式戦へと向かうことになりそうだ。

 来年のオープン戦の日程が発表されたこの日、梨田監督は所用で訪れた大阪市内で、温めてきた斎藤の起用プランを明らかにした。

 梨田監督

 (来年)3月21日の阪神戦は、阪神さんに(無理に日程を)入れてもらったので、そこで先発させようと思う。

 3月25日の開幕前最後のオープン戦。しかも相手は伝統球団で、北海道でも人気がある阪神。当日は月曜日だが、春分の日とあって、満員札止めが濃厚な一戦。アマ時代から大舞台慣れしている斎藤とはいえ、肌でプロの雰囲気を感じる貴重な場となりそうだ。同監督は「コーチに反対されるかも」と現段階では独断のようだが、期待する新人への親心からとっておきのプランを用意していた。

 斎藤にとっては、開幕直前での力量を、最終テストできる格好のマウンドとなる。猛虎打線は今季、12球団トップのチーム打率2割9分をたたき出している。11年の開幕を間近に控え、東京、札幌と移動して行われる変則の3連戦は最終仕上げの場となる。阪神はベストの布陣を組んで臨む予定で、金本や新井、ブラゼル、マートンら主力級と対戦できる可能性が高い。しかも同一リーグが相手ではないだけに、手の内を隠さず、真っ向勝負を挑むことも可能となる。

 梨田監督は、同い年で近鉄時代には監督、コーチの間柄で親交が深い阪神真弓監督に、すでに斎藤先発の“予告”を済ませている。この日、大阪市内で真弓監督は「(梨田監督と)ちょっと会ったら、最後に佑ちゃん(斎藤)が投げてくれるといっていました」と舞台裏を明かした。

 プロ人生を華々しくスタートを切るためのステップに、設定された猛虎相手のデモンストレーション。先発でも中継ぎでも、抑えでも「与えられたポジションで開幕1軍を目指したい」と誓う斎藤にとって本気モードの阪神との対決は、当面の目標への高いハードルとなりそうだ。【高山通史】

 [2010年12月15日8時3分

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