人生最重量ボディーで沢村賞だ!

 ソフトバンク和田毅投手(29)が16日、体重増で自身初の沢村賞を狙う考えを明かした。目標は77キロからの5キロ増。今オフ米国でウエートトレーニングなどを行い、すでに3キロの増量に成功している。目的は投球のパワーアップ。今季リーグMVPに輝いた左腕が、あくなき向上心で投手最高栄誉をつかみにいく。

 今季の成績に甘んじる気は、みじんもない。和田が、常夏の島でビッグな目標を掲げた。

 和田

 打者にとっては3冠王に匹敵する。憧れの賞だし、当然狙っていきたい。

 最多勝とリーグMVP左腕がターゲットに定めたのは、自身初の沢村賞だ。その準備として、すでに肉体改造に着手。体重を増加させ、投球スタイルも変える考えを明かした。

 和田

 そろそろパワーをつけるべき時期。今までは低め低めに制球するスタイルでやってきたけど、パワー勝負もできるようにしたい。

 向上心が左腕を突き動かす。先月末から、米アリゾナ州の施設でウエートトレーニングを行った。約2週間で3キロ増に成功し、現在体重は80キロになった。これまでの自身の最高は79キロ。今季も77キロ前後をキープしていたが、来季は82キロ程度を目指す。

 和田

 今までファウルにされていた球を、パワーで押し込めるようにしたい。カブレラとかには、キレとか関係ないんで。

 抜群の球のキレで打者を翻弄(ほんろう)するが、パワーのある外国人には厳しい球でもスタンドまで運ばれることもある。完璧主義者の左腕らしく、全戦全勝を目指し「キレ+パワー」の答えを導き出した。

 体重増には、もう1つの狙いもある。今季は17勝を挙げたが、完投は1。「中継ぎのことも考えて、いつもそれは考えている」。先発として、常に完投を意識してきた。だが最近3年間でも完投数が5と不本意。沢村賞の選考基準の1つにも「完投数10以上」の項目がある。今オフはスタミナアップを目指し、V旅行中のハワイでも、ランニングやウエートトレーングを継続中だ。

 和田

 結果的に、体重増が失敗になるかもしれない。それなら、一からやり直せばいい。受けてやる気持ちはない。常に挑戦する気持ちです。

 来季中には海外FA権も取得する見込みで、再来年には海を渡る可能性も高い。あくなき向上心を持つMVP左腕が、さらなる高みを目指し、投手の最高栄誉をつかみにいく。

 [2010年12月17日12時25分

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