手本は市川海老蔵?

 阪神久保康友投手(30)が18日、一風変わったトレーニングで来季への準備を進めていることを明かした。トレーニングのため訪れた甲子園クラブハウスで説明した。

 「今は体の動かし方、使い方、運動能力を上げる練習をしている。説明しづらいけど、神経の伝達系統のトレーニングというか。動かしづらいところを意識して動くようにする練習」

 イメージするならば、伝統芸能の歌舞伎が、頭のてっぺんから足先、指先まで神経を行き届かせ、思いを表現する動きに近いか。派手に「見栄」をきって、見開いた目玉をギョロリと動かしたりしているかもしれない。詳細は不明だが、明確な意識のもと、ふだん動かさない部分を鍛えているのは間違いなさそうだ。

 「プロに入って専門的な動きしかしていない。いろんな動きを入れていくことで、投げることのプラスアルファにつながれば」

 久保は今季チームトップの14勝を挙げ、自身初のシーズン200イニング突破を果たした。来季は能見とともに開幕投手の有力候補で、今季以上の働きが求められる。数字上の目標設定を嫌うが、飽くなき探求心を胸に、進化を遂げようと奮闘中だ。

 「今よりさらに上という部分を目指してやっている。強いて言えばリハビリみたいなもの。まだ自分の体のコントロールができてないですから」

 球界屈指の頭脳派で、向上心の塊でもある背番号34。注目の的となっている海老蔵とは違った形で、来季も虎ファンを酔わせる。

 [2010年12月19日10時59分

 紙面から]ソーシャルブックマーク