楽天星野仙一監督(63)の初陣となる来年2月20日のオープン戦(対巨人、沖縄セルラースタジアム那覇)観戦のため、久米島~那覇間に臨時の「闘将便」が飛ぶ可能性のあることが28日、分かった。キャンプを張る沖縄・久米島は星野監督への期待感でいっぱい。観光協会が1泊2日の観戦ツアーを募ったところ、即日完売寸前となった。試合当日の航空機も既に満席のため、臨時便を申請する方向で検討している。久米島島民が大移動し、新生楽天の門出を見守る。

 星野フィーバーは飛行機をも飛ばす。楽天キャンプ地の久米島の観光協会は27日に、1泊2日の那覇観戦ツアーを1万円台の安価で企画した。プロペラ機の定員に合わせ40人程度で募集したところ、問い合わせが殺到した。想像以上の反響に、関係者は「鳴り物を持って、球場を楽天カラーで埋めたい。今回のツアーとは別に、臨時便を飛ばしてもらえるようお願いしたい」と威勢良かった。

 「闘将便就航」は、さすがに夢物語なのか…。答えはノーだ。航空関係者は「定期便がある区間であれば、機材繰りなどの事情が合えば可能」と話した。那覇~久米島間はプロペラ機が就航している。

 同区間で臨時便を飛ばすには100万円弱かかる。別の航空関係者は「臨時便を出しペイできるか。需要があるか」と実現のポイントを挙げた。試合当日、来年2月20日の那覇行きは既に完売。午後の戻り便も残席わずかとなっている。キャンプが始まれば、注目度はさらに上がる。楽天を応援したい久米島島民が日帰りで大移動することは必至だ。観光協会は観戦ツアーの2次募集をする予定で、申し込み具合を見て臨時便の正式オファーを出す。

 監督は就任会見の席上、「このチームはまだ、本当の意味でファンに愛されていないと思う」と言った。来年2月、一面サトウキビ畑の大地からキャンプを招致した島民の愛情に触れれば、抱いた思いはガラッと変わるはず。チームと久米島島民が一丸で那覇に乗り込む。最高の雰囲気の中、星野監督は初めてのタクトを振る。

 [2010年12月29日7時36分

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