日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)が、サインボールをめぐってトラブルに巻き込まれていることが9日、分かった。インターネット・オークション大手の「ヤフーオークション」に、サインボールが年明けに出品。本人を含めた斎藤佑サイドが確認したところ、筆跡なども違い、完全な偽物と分かった。価格が10万円と高額なこともあり、現在、球団と慎重に対応を協議。絶大な人気が思わぬ方向へ飛び火した。

 プロ元年早々、佑ちゃんが想定外の事態に心を痛めていた。「ヤフーオークション」に6日、本人直筆とされるサインボールが出品されていた。気付いた周囲が事実確認に動いたところ、斎藤佑本人は書いた覚えはなし。事情を察知した球団側はヤフーと協議しながら、売買停止への働きかけを行っている。

 出品されたボールには、名前と背番号が、判別できるような字体ではっきりと記されている。さらには昨年11月の明治神宮大会優勝時に有名になった「持ってる…」のフレーズの一節に続く「仲間」、「一軍初勝利」の2つの言葉が添え書きされている。斎藤佑本人の筆跡とは全く異なり、同様のキーワードで構成したサインはしておらず、あっさり「偽物」と判明した。

 幸いにもオークションから4日が経過したこの日夜の段階でも入札者はなく、現時点では“被害”がなく済む可能性がある。ただ、設定価格が10万円と高額な上、その額以上で入札すればすぐに落札される「即決価格」で返品不可になっている。斎藤佑サイド、球団側も表立って不買を勧める動きはできないため、慎重に動静を見守らざるを得ない状況だ。

 出品者自体が偽サインボールと気付いていない可能性はあるが、球団では今後を踏まえ、しっかりと対処していく方針。同関係者は「今後、模倣犯が出てこないとも限らない。しかるべき対応をしていこうと考えています」と話した。ヤフーへの協力依頼をはじめ、警察など関係各所と相談して厳重対処も視野に入れ、監視態勢も強化するなどして、再発防止に努めていく方針だ。12日にスタートするプロの第1歩の新人合同自主トレ前から、国民的人気のルーキーならではの苦悩は深い。

 [2011年1月10日7時22分

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