広島のドラフト1位福井優也投手(22=早大)が黒田魂を注入された。12日、マツダスタジアムでの新人合同自主トレで新入団選手9人が、自主トレに訪れたドジャース黒田博樹投手(35)からプロの心構えなど「金言」を授かった。福井は昨年、早大で米国アリゾナ州でドジャースのキャンプを見学した縁もあり、カープの元エースの言葉をプロで生かす。

 米メジャーで活躍する右腕の言葉は、プロ生活への期待と不安が入り交じる新人たちの胸にしみた。

 黒田

 僕がこれまでやってきたことを伝えて、少しでも協力できればと。僕は(プロに)入っていきなり活躍できたわけじゃない。いろんな失敗もしたし、打たれもした。だからこそ今がある。しっかりと目標をもってトレーニングすればいい結果も出るはず。

 即戦力の期待が高い福井は聞いた。「今、何をすればいいですか?」。黒田は「あまり飛ばし過ぎるな」と、張り切りすぎないようアドバイスを送った。福井も「キャンプについていける体をつくりたい。ケガはしたくないです」と助言が身に染みた。

 福井が黒田と会うのはこれが2度目だ。早大3年の昨年春、米国遠征で訪れたアリゾナでドジャースのキャンプを見学した。ブルペンで投げる黒田の姿に「すごくきれいなフォーム。まったく無理がない」と感激。「理想的」というフォームをデジタルカメラの動画に収め、今でもそのお宝映像を保存しているという。黒田も「アリゾナではそんなに話はしていないですが(福井は)芯がしっかりしていますね」と将来の広島のエース候補に、期待を込めた。

 マツダスタジアムと大野屋内練習場で行われた新人合同自主トレでは、ランニングやキャッチボールで汗を流した。年末年始にあまり練習できなかった福井だが「初日は案外厳しかったですが、大丈夫です。これからですね」と前向きだ。

 大学・社会人出身の新人は野村監督も「即戦力と考えている」と話し、沖縄1軍キャンプに帯同する見込み。心に突き刺さった黒田の金言は、福井ら新人たちの成長の糧となり、プロでの厳しい競争に打ち勝つ力となる。

 [2011年1月13日11時0分

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