幕張のタフガイだ。第2クールに突入した浦和球場での新人合同自主トレ。ロッテ伊志嶺翔大外野手(22=東海大)が、地獄のシャトルランでドラフト1位の底力を見せつけた。「12月から、しっかり走ってきましたから。楽にこなせました」。往復100メートルを制限時間18秒でダッシュ。5本で1セットを5セット、繰り返す。合計25本のダッシュすべてを先頭で駆け抜けた。後半はほとんど独走状態。わずか50メートルの間で10メートル近いリードを奪った。「身体能力が違う」。担当の井辺スカウトも舌を巻くスタミナと瞬発力だった。

 精神力も強い。他の新人たちが疲労から膝に手をつき、しゃがみ込む中、伊志嶺は平然と立ち続けた。「そういう姿は見せないようにしています。大学でもそうでした」。チームメートにも弱い姿は見せたくない。東海大では主将も務めた強いハートを見せつけた。

 目標とする開幕スタメンを果たすために、まずはキャンプで1軍メンバーに入りたい。「新聞に大きく取り上げてもらえればアピールできますよね」。この日の魂の走りが伝われば、西村監督の心もグラッと動くに違いない。【鈴木良一】

 [2011年1月15日8時20分

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