広島のドラフト1位・福井優也投手(22=早大)が「イチロー走法」を取り入れていることを明かした。17日、広島・廿日市市内の大野練習場で行われた新人合同自主トレで実践。中学時代から通う鳥取市内のワールドウイングで教わった走法で、股関節を重視するもの。しなやかな動きで開幕1軍を狙う。

 歩みは遅くともロスのない走り方で福井がストライドを伸ばした。3人1組のインターバル走。スピードこそ他のルーキーに劣っても、フォームを重視していた。骨盤をやや前傾させ、内転筋に力を込めて、ピッチを刻む。その走路は力強く一直線を描いていた。

 福井

 イチローさんとかもワールドウイングで走り方のトレーニングをしています。1本の線を引いて、膝を内から通すイメージでかかとから着地します。真っすぐに走れるようにするのが大事です。走ることは(動きの)基本ですから。

 ワールドウイングはマリナーズ・イチローや中日山本昌ら一流選手が通う鳥取市内のジムだ。福井も実際にイチローが走っている映像を見て参考にした。

 福井

 いまでも行けば毎回、そういうトレーニングをする。(投球で)左足を上げて下ろすとき、内旋の運動になる。内旋する筋肉を使います。

 体幹のパーツである内転筋を生かして、足を内側に入れて走るイメージだ。体をねじる投球動作も似た動きになり、ダッシュも丁寧にこなす。陸上100メートル日本記録保持者の伊東浩司も取り入れた理論で、福井の力量発揮にも一役買っている。大野寮への入寮前日の10日にも鳥取まで足を運ぶなど、背番号11が心酔してきたトレーニング方法だ。

 投球でも準備をこなす。前日16日は広島ホームテレビの番組に出演し、広島OBで213勝投手の北別府学氏から「シュートのススメ」を説かれたという。

 福井

 シュートを覚えろと言われました。幅も広がりますし。(ペースは)徐々に上げていくつもり。肩と相談しながらですね。探り探りという感じです。

 当面の目標である開幕1軍に向け、着実に前へ進む。【酒井俊作】

 [2011年1月18日10時9分

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