日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が25日、“初任給”を手にした。推定年俸1500万円を月割りにしたものが振り込まれた。単純計算で「月給125万円」だが、一般の大学新卒と同じレベルの金銭感覚を心掛け、残りは親孝行や貯蓄に回すという堅実ぶりだ。「野球を卒業した後、普通の社会人として戻れるように」なんて、やっぱり佑ちゃんは佑ちゃんです!

 誰もが心躍らせる初任給にも、斎藤佑は冷静で、そして堅実だった。25日は初の給料日。学生時代にアルバイト経験もなく、生まれて初めてサラリーを手にすることになっても、表情は涼しかった。

 斎藤佑

 一般の大卒の人の(初任給の)レベルに合わせたいです。金銭感覚を狂わせたくないので。野球を卒業した後、普通の社会人として戻れるように。

 また年上女性ファンが増えそうなほど、優等生な発言だった。

 野球協約では、給料の発生する参稼期間は2月から11月まで。ただし、各球団は年俸を12等分にして月々支払う形が一般的だ。佑ちゃんの場合も単純計算で125万円(推定)と、学生にとっては突然の大金。選手によっては金銭感覚が狂って散財してしまう可能性もある。

 だが、斎藤佑は違った。高校時代から、誰もが顔を知る有名人だが、金銭感覚は早大進学後も一般的な学生のまま。パチンコ、スロットなどギャンブルは一切せず、寮があった東京・東伏見のラーメン屋や定食屋に通い、ワンコインで腹を満たすことも多々あった。

 ブランドものに関してもその感覚は変わらない。「あまりそういうドカーンっていうの(大きな買い物)は好きじゃない」。米国遠征の影響もあってアバクロのポロシャツ、Tシャツなどに夢中になり、今でもルイ・ヴィトンなどの高級ブランドではなく、ルール、バーバリー、ディーゼルなど、カジュアル系中心のファッションがお好み。母の日には小遣いの中からカーネーションやポロシャツなどをプレゼントする、そこら辺にいるような“好青年”なのだ。

 幼少期にカナダやイタリア、フランスなど家族旅行に連れて行ってもらったこともあり、「親にはいつかは、とは思っています。旅行をプレゼントしたいです。それと大学に恩返し」と、世話になった周囲への気遣いは忘れない。「取りあえずは貯金ですね」。普通はいやらしく聞こえるお金の話も、斎藤佑にかかればご覧の通り。また1つ、ファンを引きつける魅力を発見した。【本間翼】

 [2011年1月26日9時6分

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