楽天山崎武司内野手(42)がスロースターター返上で4番の座を死守することを誓った。カブス福留とのハワイ自主トレを終え27日、航空機で仙台に帰ってきた。連日30キロを歩き、走り、体重は6~7キロ減。ところが、シュッと締まった顔から出た言葉は「気が重い」。弱気、ではない。星野監督の思いを受け止め、強い責任を感じるからだ。

 臨機応変に打線を組む考えの星野監督から「4番は武司」と唯一、固定した打順で名指しを受ける。「内なる競争に勝つ。4番はあいつでいいと言われるように」と同じ大砲のルイーズに負けないことを誓ったのも、指揮官の真意をくみ取ったから。何しろ86年秋、就任直後の中日星野監督からドラフト指名されて以来の絆。「あの監督が名前を言ってくれるということは『しっかりやってこい』の裏返しなんだ」と続けた。

 昨季は出場141試合で4番は92試合にとどまった。「春先に迷惑をかけた」。同じ轍(てつ)は踏まない。キャンプは2軍スタートで、例年、3月の2週目以降に1軍合流。だが、今年は「できれば、すぐ合流したい」と明かした。そのために「キャンプは守備練習で足を作る。打撃にプラスになる」。楽天の看板選手は、ますます貪欲に25年目を迎える。【古川真弥】

 [2011年1月28日11時47分

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