佑ちゃんが6人!?

 ドラフト1位の斎藤佑樹投手(22=早大)ら日本ハムの新人6選手が28日、珍しいファンサービスを敢行した。千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレ最終クール初日。全員が同じウインドブレーカー上下と、オレンジ色のシューズという“佑ちゃんルック”で登場し、集まった1900人のファンを喜ばせた。斎藤佑らで練ったサプライズで、あらためて大物ぶりを証明した。

 佑ちゃんに、佑ちゃんに…。日本ハムに1日限りの「佑ちゃん軍団」が誕生した。全体練習開始直前の午前9時50分前。「勇翔寮」から、まず本物の斎藤佑が姿を現したのが、ファンサービスの始まりだった。ピンクを基調としたウインドブレーカーに、オレンジ色のネックウオーマーとシューズを身に着けた5人が次々と、寮から飛び出した。

 球場の入り口までの道路を、いつもは時間帯がずれる6人が、なぜか横一列に並んで球場入り。練習も、そのままこなした。ドッキリを仕掛けられた斎藤佑は「何も聞いていないです。(計画したのは)乾です」と、ネタばらし。「朝、起きたら、みんな着ていました。何となく雰囲気は分かっていました」。新人離れしたショーマンシップで同期生のアイデアに乗ると、プロ初のサプライズをぶちかました。

 本人は「何も聞いていない」としているが、プロデュースに一役買ったもようだ。自主トレを補助するトレーナー陣から、派手ファッションでも注目を集める斎藤佑に負けないようにとハッパを掛けられたドラフト3位の乾真大投手(22=東洋大)が、ほかの4選手を採寸。球団関係者によれば、斎藤佑が用具の提供を受けているミズノへ手配をして、手はずを整えたという。

 乾は「(服装の)ローテーションを見て分かっていたので今日にしました」と、綿密に斎藤佑を調査していた。ミズノ以外から用具提供されている選手は、事前にメーカー側の了承を得て、Xデーの到来をひそかに待っていた。誤算は、日参している熱烈ファンが多いこと。鎌ケ谷市の40代女性は「最初はどうしちゃったの?

 と思いましたけれど、走り方で佑ちゃんと分かりました」とバレバレというオチがつく1日になった。ファンを魅了するというプロの素養を早くも発揮。佑ちゃんから、さらに目が離せない。

 [2011年1月29日9時40分

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