FA宣言し残留を表明していたソフトバンク多村仁志外野手(33)が28日、福岡市内で契約交渉に臨み推定6000万円増の年俸1億8000万円プラス出来高払いで再契約した。代理人を伴い交渉し正式に残留が決定。球団から1年契約と4年契約、2つの提示を受けたが年俸のアップ幅の大きい1年契約を選択した形となった。

 「複数年の提示も受けたが、これまでずっと1年契約だった。自分にはその方が自分のパフォーマンスが出ると思った。単年と複数年のメリット、デメリットを考えて、一番いい選択ができたと思う」。

 世界一に輝いたジャイアンツから調査を受けるなど、米大リーグ移籍の可能性もあったが、チームへの愛情が上回り昨年11月24日に残留表明。複数年契約を強く希望していたが、王会長の「プロ選手の基本は1年、1年が勝負だ」という言葉に目が覚めた。

 「ホークスでプレーするというのは前提だった。4年前、移籍してきた時に王さん(球団会長)から『これも縁だ。縁を大切にしよう』と言われた。ホークスとの縁を大切にしたい。日本一しかない。ホークスに恩返ししたい」。

 長期化した契約交渉も一件落着。これまでは単身赴任だったが、横浜在住の家族と福岡で暮らすことも検討中だ。オフは首都圏やハワイで自主トレを行い、5キロ増の83キロと体もできあがった。昨季はチームの打撃3冠だったが、今季も主軸として日本一奪回を目指す。【奈島宏樹】

 [2011年1月29日11時33分

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