楽天の春季キャンプで「田淵の時間」が開講する。29日、田淵幸一ヘッド兼打撃コーチ(64)がKスタ宮城の室内練習場を訪れ、自主トレを視察。岩村、大広らに熱い視線を向けつつ、3日後に迫った久米島キャンプの構想の一端を語った。目玉の1つが「気になる選手は指名する」という個別指導。持論の「うねり打法」伝授に全力を尽くす。

 そこで登場するのが、ビデオカメラだ。昨秋、球団職員の1人が撮影、映像解析要員に任命された。それまで打撃投手やスコアラーが兼任していたのを専任とすることで、昨秋キャンプでほぼ全選手の打撃フォーム計50時間近い撮影が実現。田淵コーチは「久米島でも撮影して、秋のものと見比べさせる。違いを見て理解するのが一番いいんだ」と説明した。耳だけじゃなく、目でも見て学ぶことで進化を実感させる。「赤星にも同じことをやらせた」と、03年にリーグ優勝した阪神打線を育てた経験も生かす。

 球場を離れる際、小雪がちらつく空を見上げ「仙台らしくていいな」と穏やかに笑った。厳しい寒さも前向きにとらえる懐の深さで、楽天打線のスケールアップに臨む。【古川真弥】

 [2011年1月30日8時10分

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