日本ハム・ダルビッシュ有投手(24)が今季の「強化指定選手」に、不思議男のオビちゃんを指名した。第2クール初日の5日、ブルペン入り。捕手を座らせて53球の投げ込みを敢行し、盤石ぶりをアピールしたが、今キャンプでのもう1つの使命を表明。「いい人だけど、見ていないとサボる」というウィルフィン・オビスポ投手(26)の開花へ、力を注いでいく決意を明かした。

 愛すべきドミニカンが今、気になってしょうがない。百戦錬磨の剛腕でさえ手を焼いているのが、巨人からやってきた新助っ人だ。笑いながら、珍行動を告白した。「ちゃんとしていない。(義務メニューの)腹筋とか肩のトレーニングとかやらないで帰ったりしている」。この日も一緒に練習しようと誘ったが「明日(6日)打撃投手なので、勘弁してくれ!」と拒否されたという。

 熱い思いを軽々とかわされても、くじけない。憎めない人柄に触れ「仲間みたいな感じ。投げる球はすごいし、ほかの投手はかなわない」と、チームメート、戦力としても好感を抱いている。キャッチボールの合間などにチェンジアップ、カーブの投法などもレクチャー。「普通にやったら15勝くらいはするよ」。そう呪文のように唱え、やる気を刺激する策にも出た。突出した潜在能力を引き出すため、尽くしている。

 この日、ブルペンをのぞきに来た佑ちゃんは「気にせず、自分の球を投げただけ」と関心は示さなかったが、オビちゃんは別。ダルビッシュがゴールが見えない不思議男の操縦と、執念深く向き合っていく。【高山通史】

 [2011年2月6日10時16分

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