スモウが中止でザンネンデス…。214安打助っ人、阪神マット・マートン外野手(29)が6日、3月開催予定だった大相撲春場所の中止決定にショックを受けた。「八百長問題」にも動揺しながら沖縄・宜野座キャンプ第2クール2日目はランチ特打で14発。悲しいニュースにもへこまず、2年目の長打力アップを印象付けた。

 雲1つない沖縄の青空に似合わない、曇った表情だった。インターネットなどでニュースをチェックし、状況は知っていた。だが、やはり動揺は隠せない。大相撲春場所の中止が決定。日本国技のショッキングニュースを耳にし、マートンは心から残念そうな表情を浮かべた。

 マートン

 スモウは日本の文化。今回、それがなくなるのは残念だよ。アメリカのプロレスにはショー的な要素もあるのかもしれないけど、スモウは真剣勝負でしょ?

 今でもそうだと信じているんだけど…。

 愛するスポーツの1つだ。来日1年目の昨年3月には春場所を生観戦。関係者に観戦の記念写真をお願いするほど、ジャパニーズ・レスリングに心を奪われた。「アメリカにはないスポーツ。去年は新しい経験をさせてもらえて良かった」。今年も激しい勝負を期待していただけに、まさかのスキャンダルをなかなか信じられずにいた。

 ただ、落ち込んでいる暇はない。3・25開幕まで、残り1カ月半。大事な準備期間をおろそかにはできない。沖縄キャンプ第2クール2日目は、ブラゼルと並んでキャンプ2度目のランチ特打を敢行。右へ左へ真ん中へ、快音を連発した。

 計83スイングで柵越え14発。序盤はじっくり右打ちで感触を確かめ、終盤はライナーで軽々と左翼フェンスを超した。ファウル5球を除けば、78スイングで安打性の当たりが55本。打撃投手相手とはいえ、ヒット率7割5厘はさすがだ。

 確実性に隠れがちだが、ツボにはまった長打力もしっかり披露。「調子が悪い」と説明した第1クールから状態を上げてきた。

 マートン

 前回よりは良くなったけど、まだまだやるべきことはある。良くなっていると信じているけどね。自分としてはホームランの数は気にせず、やっていくよ。

 日本国技が不祥事に揺れる中、国民的人気スポーツ、ジャパニーズ・ベースボールの責務は大きい。昨年は日本新記録のシーズン214安打で野球ファンを沸かせた。関西の枠を超え、注目度が高いマートン。スモウの分まで、全力プレーで全国各地を盛り上げる。【佐井陽介】

 [2011年2月7日11時13分

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