日本記録214安打男が、パワフルに変身だ。阪神マット・マートン外野手(29)が11日、新しい打撃フォームに自信を深めた。ランチ特打で同組だったブラゼルを2本上回る15本の柵越えをマークした。

 打球の質が違った。ブラゼルと交互で1カ所の打撃ケージに入る。ランチ特打で左方向に滞空時間の長いアーチを連発。62スイングで15本を楽々とオーバーフェンス。パワー自慢のブラゼルの85振で柵越え13本を上回った。

 マートン

 しっかりと距離をとって急がずにゆっくりとボールを捉える。オフシーズンにこうしよう、というのがあった。新しいものに挑戦しているから少し波があるが、日々良くなっていると思う。

 来日1年目は「ホームランは狙わない」と話していた。2年目は新しいステージに向かう。飛距離アップを目指し、打撃改造に取り組んでいた。

 (1)トップの修正

 マートンは顔の近くからバットを振り出す。今年はトップを約3センチ軸足側に寄せてミートポイントと距離を広げる。ほんの少しの差がより強いインパクトを生み出す。

 (2)左足の上げ幅

 昨季はほぼすり足のように左足を踏み出した。今年は上げ幅を増やし反動をつける。第1クールでは大げさに上げていたが、ビデオを撮影して復習。徐々に固まった。

 オフからAロッド、プホルスらメジャー長距離砲の打撃フォームを分析。さらに芸術的な右打ちの通算2926安打男ジーターも参考にしている。前日10日も映像で研究した。

 マートン

 ジーターは逆方向に強い打球を打てるから。体が自然と反応してできるようにしたい。常にやるべきことがある。だから野球は楽しい。できたと思えば、その上がある。

 統一球も怖くない。マートンが新しい打撃フォームにチャレンジする。

 [2011年2月12日11時24分

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