開幕行くで!
右肩痛からの復帰を目指す阪神金本知憲外野手(42)が12日、沖縄・宜野座キャンプで今年初めての屋外フリー打撃練習を行った。33スイングで柵越えは3本ながら、肩の故障が打撃には影響していない様子を力強くアピール。「試合に出られなかった去年の借りを返す」とキッパリ言い切った。
背番号6が躍動した。打撃練習が行われた正午すぎ。宜野座付近は北北西の風6・9メートル。数字以上に強さを感じる風は右から左と、甲子園球場の浜風と同じ。その中で金本は復活のバットを振った。
左腕の多田打撃投手からはセンターからライト方向へ引っ張り、柵越え3発。右の渡辺打撃投手からは左に流す打撃も見せた。
「外で打つとどうしても力が入る。飛ばそうと思って、フォロー(スルー)を大きく取ってしまったり。でも意外に、違和感はなかった。怖さはあるが、痛みとかはない」。
6年ぶりの優勝を目指す阪神にとって、万全ならこれほど頼りになる男はいない。だが右肩の調子が戻らないのなら…。そんな不安の中、開幕へ向け、少なくとも打撃面では問題がないことを示した。
打てるのなら、代打などで「1763」継続中の連続試合出場記録はまだまだ延びる。だが、金本はこう言い切った。
「昨年は代打でつないでもらったけれど、そういうのは切れてもいい。というか、その方がありがたい。スタメンで続くならそれはそれでいいけれど。去年は試合に出られなかったので今季はその借りを返すつもりで」。
スタメンで144試合出て暴れる-。現実には首脳陣との相談で決定されることになるが、金本自身は、記録のための出場ではなく、勝利への戦いに臨むことでハラは決まっている。
同時に開幕への青写真もしっかり描いていた。今月末から始まるオープン戦出場も具体的な数字をもって見据えている。
「最低5試合ぐらいは、DH(指名打者)でもいいから先発で入っていきたい。3月中旬には試合に出られる身体をつくりたい」。
そんな気持ちは指揮官も理解している。打撃練習をケージ裏で見守った真弓監督は、慎重な様子を見せながら言った。
「この時期にしてはバッティングはしっかりできている。オープン戦5試合か。(開幕までには)実戦でどのぐらいできるか見ないと。まあ、ぶっつけ開幕でも出られるのなら…」。
3・25神宮へ。燃える金本は練習終了後、和田打撃コーチにこう言った。
「明日(13日)も打ちますよ」。
[2011年2月13日11時3分
紙面から]ソーシャルブックマーク