楽天の沖縄・久米島キャンプ最終クール2日目の16日、ドラフト1位塩見貴洋投手(22=八戸大)が紅白戦に初登板した。白組先発で2回を投げ、被本塁打で1失点。全29球中、直球が16球と新人らしく今の実力を試した。「真っすぐ重視で、どこまで通用するか。50点です」と辛い自己採点だったが、星野仙一監督(64)が「今年の左腕でNO・1」と評価し、真っ先に指名した片りんを見せた。

 第一声は「緊張しました」も、打者9人に対し初球ストライクが6人。制球を苦としない最大の長所を出した。182センチ、77キロ。長身左腕特有のぎこちなさがなく、股関節回りの動作が非常にスムーズで下半身主導だった。投球動作をつかさどる「心臓部」の柔軟性がある限り、無限の伸びしろを秘めている。

 投手育成に定評のある星野監督は「塩見を触らないように」と指示を出している。故障でのつまずきを絶対に避け、下半身が出来上がった時点で本格的なメスを入れ、夏場に満を持して送り出す。今は目立たなくていい。勝負どころで、たくましくなって合流させる青写真がある。

 最速139キロ。星野監督は「スピードガンにだまされてはいけない」と言った。「キレがあった。キレはイコール、コントロールでもある。鍛えればスピードも球威も増す」とみた。「2軍にいても面白くない。1軍に帯同させ厳しさを知るのがいいと、オレは思う」。ダイヤの原石を沖縄本島に連れて行き経験を積ませるつもりだ。【宮下敬至】

 [2011年2月17日8時22分

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