貫禄の27球だった。楽天ダレル・ラズナー投手(30)が23日、韓国サムスン戦(赤間)に先発。2回を投げ、打者6人を完璧に抑えた。本人は制球面に不満を残したが、今季最初の対外試合で結果を出した。岩隈、田中、永井にラズナーを加えた4本柱で、星野楽天の屋台骨となる。

 小気味良いテンポで投げていった。初回、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、のリズムであっという間に3者凡退。続く2回もあっさり終わらせ、来日3年目を迎えた余裕すら漂わせた。それでも、試合後は淡々と話した。「良かったとは思う。ただ、まだ制球に納得出来ない」。1回だった。2番打者を空振り三振に仕留めたが、直球が高めに浮く場面があった。続く3番打者にも同様の球が見られ、「高めに抜けてしまった」と反省した。

 それでも、次のイニングできっちり修正してみせた。直球、変化球とも低めに集めた。「しっかり腕を振って、低めへの意識を高めたんだ。シンプルに考えた結果」と明かした。イニング間に悪い点を分析して、原因を直すことが出来る。「自分の持ち味は制球」と話すだけのことはあった。

 昨季は5勝11敗。1年間、先発ローテは守ったが勝ちにつなげられなかった。そこで、このキャンプから右打者へのシュート習得に取り組んでいる。プロになりたてのころ投げたことはあったというが、「カットボールと合わせれば投球の幅が広がる。内と外を広く使えるからね」と狙いを口にした。この日の登板では使わなかったが、降板後、ブルペンに直行。練習を重ねた。新たな武器を携えて、楽天の新時代を築く力となる。【古川真弥】

 [2011年2月24日11時30分

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