日本ハムのドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)が10日、千葉・鎌ケ谷市の2軍施設での3日間のミニキャンプを打ち上げた。キャッチボール中には、人さし指と親指で輪を作って投げるサークルチェンジを試投。暴投となって苦笑いしたが、貪欲に新球の習得も視野に入れた。初先発する13日横浜戦(横浜)に向け、明日12日にチームの練習に合流し、大学時代に慣れ親しんだ神宮でブルペン入りの予定だ。

 いつものように、距離の短いキャッチボールを丁寧に行っていた斎藤が突然、とんでもない方向へボールを投げた。キャッチボール相手がジャンプしても捕れないほどの大暴投。このときの握りは、親指と人さし指をボールの縫い目に沿うように輪(サークル)を作るものだった。「チェンジアップですね。サークルチェンジ系です」。チェンジアップは持ち球の1つだが、芝草投手コーチから違う握りを教わって試投したものだった。

 すでに7種類の変化球を操っている斎藤は、貪欲にレベルアップを目指している。握りを教えた芝草投手コーチは「前にも1回(教えてくださいと)言われたことがあった」と話す。暴投になった1球で「(試合では)使えないです」と、この日は1球で投げるのを止めたが、新しい変化球には「興味はあります」とニッコリ。いわば“佑ちゃんボール”のような新球の習得に意欲を示した。

 ダッシュの最中には、横でキャッチボールをしていたダルビッシュを観察し、投げていた変化球の軌道を熱心に確認した。じっくり観察するだけでなく、周りからさまざまな意見を聞いている斎藤が、近い将来、独自のボールを開発する日が来るかも知れない。

 今日11日は休日のため、この日は軽めのメニューでチーム本隊と離れての調整を終えた。初めて先発登板する13日の横浜戦に向け、明日12日は、チームがヤクルトとのオープン戦のため、大学時代に慣れ親しんだ神宮でブルペンに入る。「うれしいです。久しぶりにまた大学の時のいい雰囲気を思い出せればいいです」。プロ仕様にどんどん進化する佑ちゃんが、思い出の地で投げ込んで、プロ初先発へ挑む。【木下大輔】